映画『クー!キン・ザ・ザ』本編から選りすぐりの「クー!」41連発
映画史上唯一無二の最小限のコミュニケーションを可能にする言語「クー!」検閲にも耐えた、その類稀なる言語の誕生35周年記念し、本編から選りすぐりの「クー!」41連発の特別動画公開!『クー!キン・ザ・ザ』は2021年5月14日公開。
「キン・ザ・ザ」と言えばこの言葉「クー」。1986年に製作された実写版映画である『不思議惑星キン・ザ・ザ』に登場し、最初は意味不明ながらも、子供から大人まで誰もが真似しやすいこともあり、映画の舞台となるキン・ザ・ザ星雲プリュク星を象徴する言葉として広く知られている。
キン・ザ・ザ星雲プリュク星には「キュー」という相手を罵倒する言葉があるが、それ以外の名詞、動詞、形容詞、副詞、感嘆詞などはすべて「クー」で表される。我々人類における「YES」「NO」を遥かに凌駕する機能を有し、挨拶もすべて「クー」だ。目上の人には必ず「クー」でお辞儀が礼儀。
この度公開となるアニメ版、『クー!キン・ザ・ザ』も実写版を踏襲、チジョフとトリクの2人の主人公やさまざまな形容の宇宙人やロボットも「クー」を連発してコミュニケーションをとる。この「クー」を開発時にはほかに候補として「キュー」のほかに「ケー」や「カー」もあったというが、ゲオルギー・ダネリヤ監督は政府の検閲により「クー」が消滅の危機に瀕したエピソードを残している。
「検閲によって、“クー”も消滅の危機に晒されそうになった。当時の最高指導者ブレジネフの葬儀の後に、重要な「クー」という単語を、急遽、別の言葉に替えなければならなくなりそうだった。ある日、「プラヴダ」紙を見ると一面には、「K.U.チェルネンコ」の名が太字でいくつも印刷されていた。これはブレジネフの後継者としてコンスタンチン・ウスチノフ・チェルネンコが任命されたという報道であった。プリュク星では「クー(KU)」が全てを意味して繰り返し使われていた。我々は考えた。「カー」?いや違う!「コー」?違う!「クィ」?ありかも…。しかし、いずれも馴染みの「クー」には劣る。考えているうちにチェルネンコも亡くなった。その後を受け継いだアンドロポフ政権は我々の仕事に全く影響しなかった」
そんな涙ぐましい努力によって生み出された「クー」。人類は常に利便性を追求して進化してきましたが、もしかすると未来では様々な言語が集約されて「クー」同様最小限の言葉で深いコミュニケーションをとる状況になるかもしれず、その観点からいえば「クー」は人類を数百年、数千年先取りしたものともいえる。さらに想像すれば「クー」の先にあるのは言語消滅、テレパシーしかない。
『不思議惑星キン・ザ・ザ』の制作から35年。そんな優れた言葉「クー」の特別動画(動画の最後には「キン・ザ・ザ」ファンが驚く仕掛けがある)に散りばめられた様々な「クー」の真意を我々は読み取ることができるだろうか?
『クー!キン・ザ・ザ』は2021年5月14日公開
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