予期せぬ妊娠が発覚！その時、17歳の少女たちの選択は……

#17歳の瞳に映る世界 #NY #アメリカ #エリザ・ヒットマン #シドニー・フラニガン #タリア・ライダー #ニューヨーク #妊娠 #ベルリン国際映画祭 2021.05.13

寄り添い合う少女たち、たった2人でニューヨークへ

第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞（審査員グランプリ）、サンダンス映画祭2020ネオリアリズム賞の受賞をはじめ、世界中の映画賞を賑わせた『17歳の瞳に映る世界』。今夏公開の話題作の予告編が到着した。

本作は17歳の少女たちが向き合う世界を鮮やかに活写した物語。ペンシルベニア州に住むオータムは、愛想がなく、友だちも少ない17歳の高校生。ある日、オータムは予期せず妊娠していたことを知る。ペンシルベニア州では未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができない。同じスーパーでアルバイトをしている、いとこであり唯一の親友でもあるスカイラーは、オータムの異変に気づき、2人で事態を解決するため、ニューヨークへ向かうことに。

解禁となった予告編では、「男だったらと思う？」というスカイラーの問いかけから始まる。次のショットではエコー画面とオータムの腹部から顔のアップまでが印象的に映し出される。「母親になる自信がない」という言葉に呼応するように、いとこのスカイラーがお金を盗み、ふたりはバスに乗り込んでニューヨークへ向かう。到着した2人は重いスーツケースを抱え、慣れない土地で一夜を過ごす場所を探すなど、なんとか目的を果たそうとするが、地下鉄では男性にニヤついて見つめられ、時には太ももを触られるなど、女性ならではの痛みにも向き合わなければならない。

秀逸なのはたどり着いたクリニックでのやり取り。「4択で答えて。“一度もない、めったにない、時々、いつも”」という映画の原題にもなっている問いに、オータムは涙を流す。予告編の最後は「悲しみに気づいたとき、ただ隣にいてくれた」というナレーションが流れ、少女2人の連帯感を感じさせるものになっている。

2人の旅路は、どの国にも通じる思春期の感情と普遍的な問題をあぶり出す。17歳の少女の瞳を通して浮かび上がるこの世界を瑞々しく活写した本作に注目したい。

『17歳の瞳に映る世界』は2021年7月16日より公開。