妊娠検査薬を見つめて……。望まぬ妊娠に向き合う少女たちの旅路を描く『17歳の瞳に映る世界』本編映像

#17歳の瞳に映る世界#サンダンス映画祭#シドニー・フラニガン#ベルリン国際映画祭#エリザ・ヒットマン

予期せぬ妊娠、17歳の少女たちの勇敢な旅路を世界中が大絶賛!

第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)、サンダンス映画祭2020ネオリアリズム賞受賞をはじめ、世界中の映画賞を賑わせる珠玉の物語『17歳の瞳に映る世界』が2021年7月16日より公開される。本作より本編映像が解禁された。

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主役のオータムを演じたシドニー・フラニガンは、本作が長編映画デビューでありながら、等身大の演技が絶賛され、第86回ニューヨーク映画批評家協会主演女優賞、第41回ボストン映画批評家協会主演女優賞など、数々の俳優賞を獲得している。監督のエリザ・ヒットマンは、性的アイデンティティに悩む青年を描いた第2作『ブルックリンの片隅で』で、2017年サンダンス映画祭監督賞を受賞し、一躍注目を集めた新進気鋭の女性監督。また、『ムーンライト』の監督・脚本のバリー・ジェンキンスをはじめ強力なプロデューサーが製作に名を連ねている。

公開された本編映像では、ペンシルベニアに住む17歳の学生オータム(シドニー・フラニガン)と医師が妊娠検査薬を見つめるシーンからはじまる。職員が「陽性みたいね」とオータムに語りかけると、「陽性だけど、陰性の可能性はある?」と、妊娠の事実を受け入れられずに一縷の望みをかけて質問をする。そのオータムの希望は瞬く間に打ち砕かれ、「ないわ。陽性はあくまでも陽性よ」との答えに険しい表情でうつむき、複雑な表情を浮かべる。

ドラッグストアで容易に手に入る妊娠検査薬による検査。“陽性”のサインに「どうしたらいいのか」と悩む女性の姿は日本でも日常的に繰り広げられる光景だろう。そこに男性の姿がないことも、きっとどの国でも同じ……。17歳という子どもと大人の間で揺れ動くオータムが、その人生のなかで大きな事実を知る瞬間から、少女たちの勇敢な旅路が始まる。本作のスタート地点ともいえる映像だ。

新進気鋭の女性監督エリザ・ヒットマンは、この本編映像で映し出された小さな町によくある“妊娠センター”について「医療施設に見えるけれど、免許を持った医師は居なくてあてにはならない」と言う。「実際に話に行くと温かく迎えてくれた。彼女たちは良い人たちだったけれど、情報は限られていてその意図は、(中絶はできず) つながりのある支援先や養子縁組の情報を提供するのみ」だという。そして驚くことに、当時妊娠中だったエリザ監督は自らそのセンターに行き、妊娠検査を受け、そこにいる女性たちと会話をし「セリフのいくつかは、彼女たちとの会話をそのまま使った」と、本作のリアリティあふれるやりとりの秘密を明らかにした。

ペンシルベニアからニューヨークへ、 痛みを伴う旅路の果てに

ペンシルベニア州に住むオータムは、愛想がなく、友だちも少ない17歳の高校生。 ある日、オータムは予期せず妊娠していたことを知る。ペンシルベニア州では未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができない。同じスーパーでアルバイトをしている、いとこであり唯一の親友スカイラーは、オータムの異変に気づき、ふたりで事態を解決するため、ニューヨークへ向かう……。 少女ふたりの旅路は、どの国にも通じる思春期の感情と普遍的な問題をあぶり出す。17歳の少女の瞳を通して浮かび上がるこの世界をみずみずしく活写した新たな傑作が誕生した。

セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR:性と生殖に関する健康と権利)という言葉を多くのメディアで目にする機会が増え、性教育の重要性が叫ばれる今、現代を生きる私たちの心に刺さる、少女たちの勇敢な旅路を見届けたい。

『17歳の瞳に映る世界』は2021年7月16日より公開。