ワシントン・ハイツで夢を語り合う若者たち“もしも宝くじが当たったら”

トニー賞4冠(作品賞、楽曲賞、振付賞、編曲賞)とグラミー賞ミュージカルアルバム賞を受賞した傑作ミュージカルを映画化した『イン・ザ・ハイツ』。FOX NEWS、バラエティ紙、タイム誌など全米のマスコミがこぞって「今年最も観たい映画」に挙げ、全米大ヒット公開中である本作が、いよいよ7月30日より公開される。この度、劇中の男性陣がラップ合戦を繰り広げる本編映像が到着した。

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メガホンを取ったのは、キャストがほぼ全員アジア人にも関わらず全米3週連続第1位を記録し、異例の大ヒットとなった『クレイジー・リッチ!』のジョン・M・チュウ。舞台はニューヨークのワシントン・ハイツ。道端に置かれたラジカセ、アパートの窓、カーラジオなどからいつも音楽が流れる、実際にある賑やかな移民の街だ。主人公はその街で育ったウスナビ、ヴァネッサ、ニーナ、ベニーたち。ある日、皆の居場所であるワシントン・ハイツがなくなってしまうかもしれない危機を迎える。そんな中、彼らは厳しい現実にあっても、自分たちの夢を語り合い、一歩を踏み出そうとするが……。

解禁となった本映像では、主人公ウスナビ(アンソニー・ラモス)が営むコンビニで売った宝くじの中に、9万6000ドルの当たりくじがあったことが発覚するシーンが切り取られている。慎ましく暮らすワシントンハイツの住民にとって9万6000ドルは大金だ。後にこの噂は街中に広まり大騒ぎになるが、ウスナビたちも「もし9万6000ドルを手にしたら?」と色めき立つ。

まずタクシー会社に勤めるベニー(コーリー・ホーキンズ)のラップからスタート。「ハデに使わずクールにビジネス・スクールへ」と堅実な性格を見せたと思いきや「俺はリッチな実業家。タイガー・ウッズが俺のキャディ」と野心むき出しなリリックを次々と披露する。対するウスナビも「やめな。ホラ吹き男。お前のウソはピノキオ」と応酬。そこに割って入るのはペインターのピート(ノア・カターラ)だ。しかし「やめろ。下手なラップ。“よう”しか言えねえ?」とすぐに一蹴され撃沈。3人の応酬はさらに白熱していき、まるでラップバトルさながらのシーンは否応なしに気分をアゲてくれる本編映像となっている。

原作者であり、作詞・作曲を務めたリン=マニュエル・ミランダは、この斬新なミュージカルを作った時の心境をこう語っている。「僕は昔からミュージカルが大好きなのだけれど、既存のミュージカルには、自分の居場所がないと感じていたんだ。だから、大好きな『RENT/レント』のジョナサン・ラーソンが友だちの話を作品の題材にしたように、僕も『イン・ザ・ハイツ』を独自に書き始めた。僕が舞台にふさわしいと感じた、大好きなラテン音楽やヒップホップを取り込んだ作品をね」

『RENT/レント』はロックミュージカルと謳われているように、伝統的なブロードウェイミュージカルにロックの融合を試みた作品。『RENT/レント』がロックでブロードウェイを変革したように『イン・ザ・ハイツ』はラップでブロードウェイの歴史を変えたといえる。

若者たちの夢と、逆境に立ち向かう街の人々の絆を乗せた、歌と圧巻のスケールのダンス。ニューヨークの片隅の街から今の世界に響き渡る歌と熱い夢が魂を揺さぶる本作に期待したい。

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