世界を震撼させた公害が発生、水俣病は終わらない
『ゆきゆきて、神軍』(1987年)、『れいわ一揆』(2019年)など数々の作品を生み出した鬼才・原一男監督が、1956年の公式確認から今年で65年となる水俣病をテーマにしたドキュメンタリー映画『水俣曼荼羅(まんだら)』が2021年秋に公開される。故・土本典昭監督に捧げる大作とし、撮影時から世界中が完成を待望した本作より特報が解禁された。
・いまなお拡がり続けている…切り捨てられた被害者たちに15年密着した渾身のドキュメンタリー
本作は、6時間越えの大作ながら、世界中の映画祭から上映のオファーが相次ぎ、ロッテルダム国際映画祭、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、シェフィールドド国際ドキュメンタリー映画祭、上海国際映画祭、香港国際映画祭、釜山国際映画祭、東京フィルメックスなどでも話題を集めた。
公開された映像では、「1972年 さようならCP」というどでかいテロップが画面いっぱいに映し出されるところからはじまる。衝撃的な映像とともに、次々と流れるテロップ「世界を震撼させた公害が発生、水俣病は終わらない」。さらに、軽快なBGMとともに、まるで歌詞のように繰り返し流れる文字。長年続く問題をテーマに、目を引く仕上がりとなっている。
撮影15年、編集5年! 目を逸らしてはいけない作品
日本四大公害病の一つとして知られる水俣病。その補償をめぐっていまだ裁判の続く患者たちの戦いを15年に渡って撮影し、5年間の編集を経て完成させたドキュメンタリー。裁判の経過とともに人々の日常生活や水俣病をめぐる学術研究までが網羅された。
また、水俣病の存在を世界に知らしめた写真家ユージン・スミス氏の遺作「MINAMATA」を題材にしたジョニーデップ製作、主演の映画『MINAMATAーミナマター』も同時期に公開される。未だ続く、この問題、2つの作品を通して、しっかりと向き合ってみたい。
『水俣曼荼羅』は2021年秋より公開。
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