望まない妊娠を解決するためにニューヨークへ向かう少女たち

第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)、サンダンス映画祭2020ネオリアリズム賞受賞をはじめ、世界中の映画賞を賑わせた映画『17歳の瞳に映る世界』が7月16日より公開される。この度、旅の始まりとなるニューヨーク行きの長距離バスの中での“ナンパ”シーンを切り取った本編映像が到着した。

・予期せぬ妊娠が発覚! その時、17歳の少女たちの選択は……

ペンシルベニア州に住むオータムは、愛想がなく、友だちも少ない17歳の高校生。ある日、彼女は予期せず妊娠していたことを知る。ペンシルベニア州では未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができない。同じスーパーでアルバイトをしている、いとこであり唯一の親友、スカイラーはオータムの異変に気づき、2人で事態を解決するため、ニューヨークへ向かう。少女2人の旅路は、どの国にも通じる思春期の感情と普遍的な問題をあぶり出す。

このたび解禁となった本編映像は、オータムとスカイラーが乗り込んだニューヨーク行きの長距離バスのなかの一幕。オータムたちが住むペンシルベニアからニューヨークまでは、バスで約5時間程度かかる長旅。すでに疲れ気味の彼女たちに、斜め後ろに座っていた青年ジャスパーが気安く話しかける。「ニューヨークは最高。ニューヨークの街の仕組みは違うタイプの人と出会うようになっている」と街の魅力を一方的に語るジャスパー。ニューヨークに行ったことのないスカイラーはそれにつれなく「このバスみたい」と返し、そのリアクションに逆に興味を惹かれているジャスパーの表情が映し出されている。

この出会いをきっかけにキーパーソンとなるジャスパー役を演じたのは、セオドア・ペレリン。カナダ生まれで、グザヴィエ・ドラン監督の『たかが世界の終わり』、ジョエル・エドガートン監督の『ある少年の告白』などに出演してきた若手俳優だ。本作で監督をつとめたエリザ・ヒットマン監督は「ジャスパー役には得体の知れないタイプの男の子を望んでいた。いい奴なのか悪い奴なのか、どっちでもないのか分からない。セオドアは見つめずにはいられない魅力がある」とそのキャスティング理由を語っている。

17歳の少女の瞳を通して浮かび上がるこの世界を瑞々しく活写した物語の行方を劇場で確かめてみたい。