芥川賞作家・絲山秋子の小説を映画化した『ばかもの』が12月18日に公開となり、キャストの成宮寛貴と内田有紀、金子修介監督が有楽町スバル座で初日舞台挨拶を行った。
『ばかもの』初日舞台挨拶フォトギャラリー
[動画]『ばかもの』予告編
生きることに不器用な男女の10年に渡る壮絶な愛を描いた本作。ぶっきらぼうで勝ち気なヒロイン額子を内田が、そのヒロインに童貞を奪われ恋におちる青年ヒデを成宮が演じている。
原作を読んで額子に強く惹かれたという内田は「額子は言葉づかいも荒いしぶっきらぼうだけど、内面の繊細な部分がとても愛おしく思えました」と明かし、「金子監督といろいろ話して2人で役作りをしていったので、安心して皆様に届けられます。私だけだと突っ走り気味なところがあったと思うので(笑)」と役作りについて語った。
一方、1人の人物の「10年間」を演じることに不安を覚えたというのは成宮。監督はそんな成宮に「順撮りする」と約束したという。「すごく悩んでいたので、(時間軸に沿って)順番通り撮るから安心してって」と監督が話すと、成宮が恨めしそうに「嘘つき!」と一言。監督は苦笑いしながら「でも、そういう風にはならなくて……」と、思惑通りにはいかなかった撮影について明かした。
また、司会が成宮と内田に共演した感想を聞くと、中学校時代から内田の大ファンだったと話し始めた成宮。「今日、髪の毛を切ってこられて、僕が学生手帳に入れていた(若い頃の)内田さんの写真にそっくりだったので『昔の内田さんみたいですね』って言ったら、メッチャ赤い顔して、『恥ずかしいからやめて』って言われました」と笑っていた。それを聞いて「困ってしまう……」と照れまくる内田が「もう35ですから」と言うと、会場からは「そうは見えない!」という意味のどよめきが。
さらに成宮が女優・内田について「すごくストイックで真面目で、すごく面白いしかわいいし、今回、内田さんと組めて本当に良かった」と話すと、内田も、ヒデを深く愛していた額子のように「できれば成宮くんを大きく包んで演じたいと思っていたのですが、逆に成宮くんに助けられて」と話し、互いの良さを讃え合っていた。
最後に司会がお気に入りのシーンについて質問。
成宮は「額子と沢山エッチを重ねていくんですけど、そのなかで僕が達するシーンがあって、撮影のときに「本番! カット! もう1回!」って言われたんですけど、どこがいけなかったのかな」と苦笑いしてから、「好きなシーンは、『マジ、額子のこと好き』と言って背中から抱きしめるシーン。僕の目線と額子の目線が微妙に違い、目指している方向が違うことを表しているのですが、そこがものすごく気に入ってます」と回答。
内田は再会した2人の入浴シーンを挙げ「監督もこだわっていたし、私も成宮くんも『あそこは難しいよね』って。それを3人の信頼で乗り切れたので、すごく思い入れがありました」と説明。さらに「やっぱり成宮くん演じるヒデは、すっごくイイ男だなって(笑)。こんなイイ男いないなって思って演じていました。2人にはお互いしかいないと思える、愛のある不思議なシーンでしたね」と、その魅力を語っていた。
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