人間が抱える闇を描き続けている巨匠ミヒャエル・ハネケ監督の『白いリボン』。カンヌ国際映画祭パルムドールなど様々な映画賞を受賞したこの映画のトークイベントが、12月21日に銀座テアトルシネマで行われ、アーティストのエドツワキとミュージシャンのカヒミ・カリィが映画について語った。
第一次世界大戦前夜のドイツの村で次々と起きる事件を追いながら、キリスト教の教えに忠実に暮らす人々の心に潜む悪意をあぶり出していく本作。12月4日に公開され、連日満席となっている話題作だ。
ハネケ監督のファンだというカヒミは、「芸術に触れたような充実感を受け、癒しのようなものを感じた。セラピストと会話したような、不思議な作品」と映画についてコメント。
1歳の子を持つ母でもある彼女は、物語の重要な鍵を握る子どもたちについても触れ「子どもは生まれながらに“闇”をもっているのか、それとも純粋な状態から世の中に出ていくことで変わっていくのか。そういうことを考えさせられる深い映画でした」と語っていた。
一方エドは「フェルメールの絵画を切り取ったようだった」と映像美についてコメント。「(ヴィルヘルム・)ハンマースホイのように想像力をかき立てられる。非常にグラフィックだし、触発される」とアーティストならではの感想を述べた。
また、本作にすっかりハマってしまったというカヒミは「5回見たけど、未だに犯人が分からない」とも話していた。
『白いリボン』は銀座テアトルシネマほかにて全国順次公開中。
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