『冷たい熱帯魚』の園子温監督が、日本映画のダメさ加減をめった斬り!

左から『冷たい熱帯魚』の千葉善紀プロデューサー、園子温監督、黒沢あすか
左から『冷たい熱帯魚』の千葉善紀プロデューサー、園子温監督、黒沢あすか

学生たちが主催する第23回早稲田映画まつりで、12月21日に園子温監督が早稲田大学大隈講堂にてトークショーを行った。

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『愛のむきだし』など圧倒的な作品力で見る者の心をわしづかみにし、国内外から高く評価されている園監督。猟奇殺人事件を描いた最新作『冷たい熱帯魚』はヴェネチア国際映画祭に正式出品され、6分間にもおよぶスタンディングオベーションで讃えられ話題となった。

この日はキャストの1人、黒沢あすかも登場。限りなく官能的な女性を演じた黒沢の妖艶さと激しすぎる濡れ場も見どころのひとつだが、黒沢は「現場では監督のお陰で輝かせてもらうことができました。ありがとうございました」と感謝。監督は、日本の女優は裸になることを特別視し、躊躇する女優が多いと苦言も呈していた。

また、“いい人キャラ”のでんでんが極悪非道な男をパワフルに演じているのも話題で、「でんでんさんは、以前、ちょい役で出ていただいたときに、次は悪役をやらせたいと思いました。どの監督もやったことがないので、ぜひやるべきだと思いました」と園監督。有名俳優の集客力に頼りすぎる日本映画界の悪癖にも言及し、「アメリカとかだと、映画が面白ければヒットするんです。まったく有名ではない役者が出て、そこから役者がブレイクするという映画を作らなければいけない」とも。

役者志望の学生からの「男優に求めることは?」という質問には、「脇を固めている人のなかに、いい人が沢山いますよね。僕が掘り起こしていきたいと思います。才能がありそうな人を探してきて、育てる方が面白い」と回答。予算と時間に制限のあるなかで最大限の努力をしていると語り、自らの作品力に圧倒的な自信を見せる園監督ならではの言葉に、学生たちも聞き入っていた。

さらに園監督は「この映画がヒットすれば、日本映画界が変わる希望がもてるので、それを実現させるためにも、ぜひ見に来ていただきたい」と応援を呼びかけていた。

『冷たい熱帯魚』は2011年1月29日よりテアトル新宿ほかにて全国順次公開される。

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