愛するパパが性別適合手術を受けて女性に!? 11歳の娘の葛藤を描く『パーフェクト・ノーマル・ファミリー』
#パーフェクト・ノーマル・ファミリー#映画#トランスジェンダー#カヤ・トフト・ローホルト#ミケル・ボー・フルスゴー
見た目も身体も男性から女性に変わった父親の姿を描く衝撃作『A Perfectly Normal Family』(英題)の邦題が『パーフェクト・ノーマル・ファミリー』に決定し、日本版ポスタービジュアルが解禁された。
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“世界一幸福な国”デンマークから、性転換するパパ描く衝撃作登場
本作は、“世界一幸福な国”として知られるデンマーク発のヒューマンドラマ。デンマーク・アカデミー賞で9部門にノミネートされ、メイクアップ賞、児童青少年映画賞を受賞した本作は、女優として活動したのち、数多くの短編映画を発表してきたマルー・ライマン監督の初長編作。
デンマークの郊外で暮らすエマは、地元のサッカークラブで活躍する11歳の女の子。幸せな家庭で充実した日々を送っていた。ところがある日突然、両親から離婚すると告げられたことで彼女の日常が一変する。
離婚の理由は「パパが女性として生きていきたい」。ホルモン治療によって日に日に女性らしくなるパパのトマス(アウネーテ)が、やがて性別適合手術を受けるという現実をエマは受け入れられず、1人思い悩んで寂しさを募らせ、時にはやるせない苛立ちを爆発させる…。「大嫌い。パパなんか死んじゃえ」。そう叫びながらも、本当はパパのことが大好きなエマが、幾多の葛藤の果てに気づいた自分の気持ちとは? 大切な思いを確かめていくエマの成長を愛おしく紡ぐ、清々しい余韻をもたらす珠玉作が誕生した。
近年、世界中でセクシュアル・マイノリティの多様性や人権に光をあてた映画が盛んに作られている。本作はトランスジェンダーをカミングアウトする当事者ではなく、その娘である少女の視点で全編が語られる点が新鮮にしてユニーク。
この90年代末を背景にした家族の物語は、11歳の時に父親が女性になった経験を持つライマン監督の自伝的な作品だという。自らの実体験に基づくエピソードをちりばめ、主人公エマの複雑な感情を繊細かつリアルにすくい取っていく。
エマ役を演じたカヤ・トフト・ローホルトは、本作で映画デビュー。撮影当時、彼女はまだ10歳で、11歳という多感な時期に両親の離婚とパパからトランスジェンダーであることを打ち明けられる役柄だが、このうえないナチュラルな存在感とリアクションで見事に体現している。
パパのトマス(アウネーテ)に扮したのは、『ロイヤル・アフェア愛と欲望の王宮』(12年)や『ヒトラーの忘れもの』(15年)などで知られる実力派俳優ミケル・ボー・フルスゴー。ライマン監督は、トマス(アウネーテ)役は男性でもあり女性でもあることを示したかったと言い、男性の身体から自身の女性性を見出すことができるような身体性を持った人を探すことが重要だったため、当初からトランスジェンダーの役者の起用は考えたことがなかったと語っている。
今回解禁された日本版ポスタービジュアルは、爽やかな淡いグリーンを背景に主人公エマ一家の写真が収められている。椅子に座るエマの隣にいるのは一見するとママにも見えるが、実際は違う。キャッチコピーの「突然告げられた両親の離婚。そしてパパは女性になった」が物語るように、エマの後ろに立つ女性がママであり、彼女の隣の人物は男性から女性へ、名前もトマスからアウネーテと変えたパパだ。
ポスター下部には親子の可愛らしいダンスシーンが垣間見えるが、この家族はどうなってしまったのか、各々の表情も印象的だ。「これが、わたしたちの“普通で完璧”な家族のカタチ」という言葉が表すものは一体何なのか。物語が気になる内容だ。
『パーフェクト・ノーマル・ファミリー』は12月24日より全国順次公開。
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