女優の佐久間由衣が8月30日、都内で行われた主演映画『君は永遠にそいつらより若い』の特別先行上映会で舞台あいさつに奈緒、小日向星一、吉野竜平監督と共に出席。本作について語った。
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佐久間由衣「当たり前の日常は存在せず、生きているだけで十分に素晴らしい」
本作は、芥川賞作家・津村記久子のデビュー作にして第21回太宰治賞受賞作品である同名小説が原作。卒業間近の大学生である主人公がなんとなく過ごす日常の中で、ふとした折に暴力や児童虐待、ネグレクトなどの社会の闇、それに伴うやり切れない哀しみに直面する様を描く。
変わり者扱いされている大学生・堀貝佐世役の佐久間は「自分の作品で涙を流したのは初めて。それは心に響く映画を見てしまった感覚と、素晴らしい映画に関わることができて幸せだと感じたからです」とでき上がりに感激。
堀貝と特別な関係を築く猪乃木楠子役の奈緒も「原作のパワーがそのまま映画に反映されていたし、由衣ちゃんが映ることで原作からキャラクターが飛び出したかのような、由衣ちゃんならではの魅力があふれていました。明日まで頑張って生きようと思える大好きな映画です」と完成に自信を持っていた。堀貝と猪乃木をつなげる友人・吉崎壮馬役の小日向も「僕は見た後に生きることを優しく肯定されたような気持ちなりました」としみじみ。
映画化にあたって吉野監督は「原作は堀貝からの目線だったが、映画では群像劇のようにしたかった。普通の大学生の日常を切り取った雰囲気になればいいと思った」と狙いを明かし、「佐久間さんは庶民的で気取らず、親戚の子みたい。奈緒さんは、表には見せない深い傷を表情の変化で見せてくる。星一君は、堀貝とは仲がいいけれど決して付き合ってはいない男子感を上手く表してくれた」と納得のキャスティングだと自負した。
役作りについて佐久間は「監督とディスカッションしながら堀貝の履歴書を作っていったことが大きかった。また撮影前に監督が仕込んだお茶会で奈緒ちゃんや小日向君とお茶ができたのも良かった」と回想。奈緒も「撮影前のお茶会で初めてお会いした由衣ちゃんと30分くらいお互いの話ができたのは大きかった」と共感した。
映画の内容にちなんで、どんな大学生になりたいかと問われた佐久間は「もし大学に行けるなら、外国語学科で英語を学びたい」と妄想。奈緒は「私は哲学に興味があるので、猪乃木楠子と同じく文学部哲学学科で哲学を学びたい」と希望。
一方、大学時代は政治経済学部だったという小日向は「大学時代は演劇に打ち込んでいたので、演劇学科に入り直したい」と憧れを口にした。
最後に佐久間は「やっと公開だという実感があります。数年前にお話をいただき、撮影をしてコロナがあり、色々なものを乗り越えてできた作品です。この映画を通して、当たり前の日常は存在せず、生きているだけで十分に素晴らしいということを伝えていきたい。派手な映画ではありませんが、たくさんの愛おしい登場人物たちが社会に向かって戦っている姿を見届けてほしいです」と公開初日に向けてメッセージを送った。
『君は永遠にそいつらより若い』は9月17日より全国公開。
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