時代遅れ・内気・堅物で孤独な50代の男、初めて社会と接して恋に落ちる…
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全てを失った男が希望をつかむまで
テッサロニキ国際映画祭3冠を獲得し、世界中の映画祭で喝采を浴びた感動の映画『テーラー 人生の仕立て屋』が、9月3日より全国公開中だ。このたびの日本公開に向けて、監督を務めたソニア・リザ・ケンターマンがメッセージ動画を寄せた。
・『テーラー 人生の仕立て屋』ソニア・リザ・ケンターマン監督インタビュー 不況で全てを失った孤独な男は、いかにして困難を克服し立ち直ったのか?
メッセージ動画でソニア監督は、「本作が日本で公開されることをとても嬉しく思います」と挨拶すると、本作品について、「これは希望に溢れている、前向きな物語です。どんな状況でも前を向いて挑戦する勇気をくれる物語です」と紹介してくれた。
また、ソニアはオフィシャルインタビューで、参考にした作品として、多くのフランス映画や無声映画、特にバスター・キートンとジャック・タチを挙げた。その動機について、次のように説明した。
「主人公のニコスは、ひっそりと孤独に暮らす男性で、人生のほとんどを1人で過ごしてきて誰とも話しません。ミシンの音が彼が日常生活で聞く唯一の音です。そこで私は映画の冒頭を無声映画調にしたいと考えました」
また、本作品の見どころについては、「時代遅れでシャイで堅物な主人公が、現代のアテネに初めて触れることでいかに順応し、成功していくか──その奮闘する姿に、本作のユーモアと面白さがあります。彼は50代にして初めて新しい世界への扉を開き、しかも恋に落ちるのです」と、“人生の仕立屋”というサブタイトルにもあるとおり、人生はやり直せる! という勇気をくれる作品だと語っていた。
“変わりたい”一心で、ウェディングドレス作りに取り組むスーツ職人
本作品は、寡黙なスーツ職人が、ウェディングドレス作りに人生を賭けるようになるヒューマンドラマ。
ニコスはアテネで1961年の創業以来36年間、高級スーツの仕立て屋を父と共に営んできた。だが、ギリシャを不況が襲うと、店は銀行に差し押さえられ、ショックで父も倒れてしまう。崖っぷちに立たされたニコスは、手作り屋台で「移動式テーラー」を始めることに。しかし道端で高級スーツはまったく売れず途方に暮れていると、あるオファーが舞い込む。「ウェディングドレスは作れる?」──紳士服一筋だったニコスは、「変わりたい」との一心で、隣人の母子の助けも借りながら、世界にー着しかないオーダーメイドドレスを作り始めることに。青空の下、女性服の仕立てを学び、オーダーメイドのドレス作りを始めるが……。
『テーラー 人生の仕立て屋』は、9月3日より全国公開中。
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