震災と計画停電で映画界にも大きな影響
3月11日14時36分頃に起こった東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から丸3日が経つが、映画界でもこの地震の影響の大きさがじわりじわりと広がりつつある。
既に報じたように、先週末12日(土)に初日を迎えた映画は、通常行われる初日舞台挨拶を軒並み中止、または延期。余震など、不測の事態発生を考慮し、上映自体を見合わす劇場も数多く見られた。
週が開けた14日(月)も、一部上映の自粛、または営業自体を自粛する映画館が増えている。
映画興行大手のTOHOシネマズでは、公式サイト上で南大沢、府中、錦糸町、船橋、市川、八千代、海老名、小田原、川崎、上大岡、甲府の劇場における14日の営業を政府の要請に基づく電力削減の趣旨に則り自粛すると発表。また、下田、秋田、宇都宮、ひたちなか、水戸内原、流山、お台場シネマメディアージュ、西新井、横浜の劇場では、安全確認中で営業再開の日程は未定だという。
ワーナー・マイカル・シネマズでも14日の営業は、東北地方や関東エリアを中心に、地震に伴う設備点検などの理由から休業している劇場が数多い。
東京の単館系劇場でも、政府による計画停電の発表を受けシネクイントが終日休映。また、銀座テアトルシネマでは16:10と18:45の回を休映にするなど、14日に関しては短縮上映で対応する劇場もあるようだ。
地震関係の映画にも影響が出ている。中国の大地震をモチーフにした映画『唐山大地震』については3月26日公開予定だったが、14日午後、公開延期を決定。公開中だった『ヒア アフター』も、津波のシーンがあるため、興行サイドが自主的に上映を見合わせているようだ。
こうした流れは15日(火)以降もしばらくは続きそうで、映画界でも相当な影響が出てきそうだ。ある興行関係者は政府による計画停電が実際に行われた場合の影響の大きさを指摘。「こういうときこそ、映画が心に潤いを与えてくれるものなのに」と残念がる。また、映画関係のイベント中止が続々と発表されていることを受け、別の関係者は、「宣伝が行き渡らず、映画のタイトルすら知ってもらうことができずに公開が終わってしまう映画が出てくるのでは」と話している。
身近な娯楽である映画は、不況に強いともいわれて来た。だが、今回の震災は、菅首相も会見で述べたように「戦後65年間を経過したなかで、最も厳しい危機」であることは間違いない。映画界にも大きな影響が及ぶだろう。
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