【こんなときだからこそ見て欲しい映画 その1】6人の監督からのメッセージ

深川栄洋監督が勧める『E.T.』
深川栄洋監督が勧める『E.T.』
深川栄洋監督が勧める『E.T.』
清水厚監督が勧める『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』

大勢の方々に哀しみと苦しみをもたらした東日本大震災。未だ、死者・行方不明者は増え続け、原発による放射能漏れの影響が日々拡がっている状況に、今、日本は置かれています。

この被害の大きさを受け、映画界でも公開中止や延期になる作品が増え、節電や計画停電、急を要さない輸送を避けるなどの意味合いから、劇場での上映時間が短縮されたり、新作DVDの発売時期が延期になっています。

銀座などの街では6時を過ぎると店が閉まり、多くの地域で計画停電が実施されるなど、今は、被災地はもとより日本各地でも、映画どころではないといった状況にあると思います。

ですが映画には、人を元気づけたり、その心を潤してくれたり、明日への希望を抱かせてくれるような力があると思います。『風と共に去りぬ』がアメリカで公開されたのは1939年。それから72年経ってもなお感動を与えてくれるように、『七人の侍』『アラビアのロレンス』など、映画はその歴史のなかで、多くの名作・感動作を生み出してきました。

そこでムビコレでは、映画を愛して止まない監督やプロデューサーに「こんなときだからこそ見て欲しい映画」を挙げてもらうことにしました。その第1弾として、6人の監督の推挙する映画とコメントをご紹介します。

■深川栄洋
[映画監督/最近作『白夜行』『洋菓子店コアンドル』『神様のカルテ』]

僕がこんな時ほど観てほしいのは『グーニーズ』『E.T.』です。
テレビを付けると、子どもが夢を見れない状況ばかり。
僕はこんな時ほど、被災者の子どもたちに、夢を持ってほしい。
そういう意味で、社会が落ち着いたら、夢を観れる映画を見てほしい。巡回映画でも、慰問上映でも良いので、上映してほしいと思っています。

ぜひ、被災現場の子どもたちに、夢を送って頂きたいです。

■清水厚
[映画監督/最近作『ナナとカオル』/代表作『ねらわれた学園』『ユメ十夜』]

『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』
個人的な思い出ですが、1984年真夏の西武球場……。そこに僕はいました。
日本で初めてのHR/HM(ハードロック・ヘヴィメタル)ビッグコンサートイベント。
田舎から出てきた当時19歳の痩せっぽちの僕は、腕を突き上げ必死で叫び続けていました──。
この映画の主人公。彼らもまたあの日を忘れずに生きていたようです。
「アンヴィル」というカナダのヘヴィメタバンド。オープニングアクトだった彼らを
はっきり覚えています……。粗野な前座バンドだったと(笑)
それ程人気もなく、とっくに消えたと思っていた彼らが、まだ活動していたとは!
しかも、惨めな人生を送りながらも頑張っていたとは!
その姿を描いたドキュメント風(?)のこの作品をお勧めする理由は、とにかくポジティブ!なこと。
50歳過ぎのおっさんになっても未だ子どものような純粋さ。
自分よりも駄目な人間が頑張っている姿……。それには嬉しくなるくらい勇気を与えてもらえます。
人知れず頑張って生きている仲間がいることを実感させてもらえる映画です。

■須賀大観
[映画監督、プロデューサー/代表作『宇宙犬作戦』『ブリスター!』『ロボ☆ロック』]

『砂漠のライオン』
本作はカダフィ大佐の背景を知ることができる。日本が災害の今、地球の裏側のリビアでは内戦が激化しつつある。イギリスの参戦が決まったがどうなるのか。助け合いが求められる日本と、戦闘に入るリビア。世界の表裏は激しく逆だ。

『運動靴と赤い金魚』
仲間を大切にする気持ちは、助け合いの基本であり、これからの国作りの礎石だと思う。しかもイラン映画というのがまた良い。善意は地球規模の共通言語だと知るには、もはやハリウッド映画では不十分だ。

『フューチャー・イズ・ワイルド』
悲嘆にくれることはない。大きな意味で命は永遠だ。

■市井昌秀
[映画監督/近作・代表作『無防備』]

『リトル・ミス・サンシャイン』『大阪ハムレット』
今回の地震の被害は計り知れないほど甚大ですが、一方で家族や友人など、人と人との繋がりがいかに大事かと思い知らされた方が多数いると思います。自分も含めて。この映画はバラバラの家族がひとつになる姿が描かれています。心、打たれます。

『お早よう』
古き良き日本が描かれています。ほっとします。

■山本清史
[映画監督・脚本家・漫画原作者/近作・代表作『END CALL』『水霊 ミズチ』]

『ラブ・アクチュアリー』
いくつになっても人間は、愛に生きることが出来る。
未曾有の惨事に涙しない人がいないように、
愛に共感しない人はいない。
facebookを通じ、海外の友人たちから多くの祈りと愛が送られてきて、
悲劇が気付かせてくれることもあるのだとぼくは知った。
世界は愛で満ち溢れていることを、この映画は教えてくれる。

■河崎実
[リバートップ代表取締役/代表作『いかレスラー』『日本以外全部沈没』『ギララの逆襲』/最近作「ルナベース地球防衛軍女子部飛び出せ!野球拳3D」(PSP用ソフト)]

『ウルトラセブン』の最終回『史上最大の侵略(前編・後編)』
ポロポロになったモロボシダン=ウルトラセブンが仲間たちを救うために全力で戦う姿に感動し勇気づけられる。これを機に全国民が見てほしい。

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