俳優の佐藤健が9月20日、都内で実施された映画『護られなかった者たちへ』の公開直前トークイベントに阿部寛、林遣都、瀬々敬久監督とともに出席。本作や撮影時のエピソードなどを語った。
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佐藤健「今の世の中に投げかける意義のある作品になった」
本作は、中山七里の同名小説を映画化したヒューマン・ミステリー。東日本大震災から10年目の仙台で、全身を縛られたまま放置され、餓死させられるという不可解な殺人事件が相次いで発生。捜査線上に浮かんだのは、別の事件で服役し出所したばかりの利根(佐藤)。刑事・笘篠(阿部)は利根を追い詰めていくが、やがて事件の裏に隠された事実が明らかになっていく。
佐藤が「今の世の中に投げかける意義のある作品になったと思っております」と自信を見せると、阿部も「台本を読んだときにミステリとして濃厚で、身の毛のよだつ思いをしながら台本を読んでハラハラドキドキしました。さまざまな人物が登場しますが、一人一人の出演者が全身全霊をかけて挑んだ作品です」とアピールした。
佐藤の印象について阿部は「集中力の凄さが圧巻でした。利根がそこにいるんじゃないかと思うくらい、それを通していらっしゃる。僕、そういうところ好きなんですよね。その集中力を見たときに色々なものを感じましたし、僕も役がやりやすくなりました」と絶賛。林も「健さんに最初にお会いしたとき、物語の中の登場人物が生身の姿で存在しているような印象を受けました。利根なんですけど、初めて見る“佐藤健”だとも思いました。他の人には感じたことのないオーラを感じました。はっきりとその印象を覚えています」と語った。
カメラマンの“かっこいいですよ〜”発言、阿部寛と佐藤健の見解は?
“それぞれに聞いてみたかったこと”を質問するコーナーになると、佐藤は阿部に「LINEとかされるんですか?」と質問。阿部は「LINEするんですよ」とはにかみながら回答。さらに佐藤が「スタンプとか使うんですか?」と尋ねると、阿部は「ニコニコみたいな、黄色い丸い顔のやつ使います」と笑顔をこぼした。
次に、阿部が佐藤へ「取材のときに、カメラマンの人に“かっこいいですよ〜、いいOK!”と言われると、逆にテンション下がって困るんですけど(笑)、佐藤さんどうですか?」と質問。佐藤は「明らかに仕事で、呼吸をするようにいう人、嫌ですね(笑)。僕もそう思ってました(笑)。でも、阿部さんを撮ってる人のことを考えると漏れちゃうのは仕方のないことなのかなと思います」と答えた。
次いで、ファンの質問に答えるコーナーへ。「10年前と今のご自身とで異なるところ、変わったところはありますか?」という質問に、佐藤は「根本的なところは変わっていないと思いますが、余裕を持つことができたかなと思います。10年前は今日を生きることに精一杯だったので、今はもうちょっと俯瞰して色々なことを見れるようになったかなと思います。将来のビジョンまではいかないですが1、2、3年後のことくらいは見すえることができているかなと思います」とにっこり。
同じ質問に阿部は「10年前、僕の歳でも色々なことが変わってきていますよね。色々な人との出会いがあったり、生活環境も変わりました。逆に、10年前のときは仕事を絞ろうかなと思っていたのが、そこから果敢にやっていこうと思っていたり、色々な変化がありますね」と回顧。林は「両親にちゃんと『ありがとう』と言えるようになりました。学生時代、反抗期が強くて、上京して、反抗期のまま両親と離れたので、久々に地元に帰っても素直になれない、照れ臭い時期が続いていたのですが、“大切にしなきゃな”というところで『ありがとう』って言えるようになりました」と振り返った。
続いて「出演者の方の中でこの人に護られたいと思った方はどなたですか?」という質問に、阿部は「吉岡(秀隆)さん。僕なんかよりも色々な作品を前からやってらっしゃって、“どんな人なんだろう”と思っていたのですが、オープンに受け入れてくれるし、ソフトだし、この人が親だったら嬉しいなって思いました」と回答。佐藤も「僕も初めてご一緒しましたが、もの凄く優しくてびっくりしました。柔らかい方でした」と吉岡の印象を語った。林は「倍賞さんですかね。本当に利根とカンちゃんとうどんを食べて、その後の外での倍賞さんと利根の2人きりのシーンが感動でしたね」と語った。
“雨男”の佐藤健、予定外の雨降らした?
「“雨男”として名高い健さんですが、撮影中、雨に悩まされたことはありましたか?」という質問に佐藤は「まず、名高くないとは思っているのですが(笑)、走るシーンは雨の予定ではなかったのに、降ってしまって、撮ったら結果オーライでした。雨の方がよかったのでは? と思いましたよね? あれは僕のおかげなんです」と話し、会場を沸かせた。
また阿部は「撮影現場では長く一緒で色々話したという林遣都さんと、何か共通点や似ているところはありましたか?」という質問を受け、「似ているところけっこう多いんじゃないかなあ。まず、顔が濃い(笑)、共通の知り合いがいるとか、色々話しましたね」と言うと、林も「おこがましいんですが、昔から顔が誰に似てるかって言われたら阿部さんということが多くて、今回ご一緒できてすごく嬉しかったです。待ち時間も本当に多くの話をしてくださって、僕としては、憧れで役者としての理想ということがあって、阿部さんがどう歩んできたかとお話ししてくださったことは、自分の中で財産として残っています」と振り返った。
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