ジェーン・バーキンが呼びかけ、4月6日夜に渋谷クラブクアトロで開催された「震災復興支援コンサート Together for Japan」。その記者会見が同日昼に東京日仏学院で行われ、急きょ来日したバーキンが登壇。その胸の内を明かした。
・[動画]ジェーン・バーキン「震災復興支援コンサート」記者会見
「今日はみなさんとご一緒でき、とても良かったと思います。何もせずにフランスにいることは、とても辛かった」。そう話し始めたバーキンは「毎晩、日本のみなさんがどうしているか心配で、BBCやCNNなどの番組をずっと見ていました。そこでは日本のみなさんが助け合っている様子が映し出され、フランスだけでなく、その他の国でも本当に素晴らしいことだと、みんなが感動しています。この震災で私は、日本のみなさんから多くのことを学びました。幸い私はお金があったので、飛行機の切符を買い、みなさんに直接『愛しています』とうメッセージを届けることができ、幸せに思っています」と続けた。
震災を知ったのは病院で友人から受け取ったショートメールだ。「その夜、自宅のテレビで灰色の大きな波に自動車が流される映像を見て、テレビの前で『早く逃げて!』と思った」というバーキン。「屋上にSOSというメッセージが書かれ、避難所ではすべてを失った人たちが食べ物も毛布もなく過ごしている映像を見て、一体、私に何ができるだろうと思った」と語る。
「最初に来日したのは、まだシャルロット(・ゲンズブール)がお腹にいる頃でした。そのシャルロットが7月に40歳になるので、ちょうど40年になります。その間に15回は来日し、日本のみなさんからはたくさんのことを与えてもらいました。だから今回、こうやって来日してコンサートを開くのは、最低限の恩返しだと思っています」と日本への思いを口にするバーキン。
だが、子どもたちや友人からは今回の来日を止められたそうで、「それは津波や地震の影響ではなく、やはり原発が問題。みんな怖がっているんです」と語ると、「正直言って、(来日前は)東京でどんな事態が待ち受けているか、まったくわかりませんでした。子どもたちは『靴は3足持って行け』『マスクをしなさい』『お寿司は絶対に食べちゃだめ』と、本当に心配していました」と振り返った。
日本に来てみると、それは杞憂に終わったようで、「東京ではみなさん、普通にマスクをしないで道を歩いていますし、私も靴下をはいていないくらいです。でも、パリでは最大の危険が待ち受けているといった雰囲気でした」と原発問題を抱える日本がどう思われているかを語っていた。
また、福島の原発で今も必死になって復旧作業を続けている職員に対しては「最初50名と聞いていましたが、もっとたくさんの方がいることがわかりました。自らを犠牲にして頑張っている彼らは、真のヒーローだと思います」と賞賛。一方、取材陣が、震災後の現東京都知事の発言について「日本の政治家に今回のことは天罰だと発言する人がいる」と言うと、「そういう不適切な発言をした人はひどいと思います」と話していた。
会見終了後、バーキンは渋谷パルコ前に移動し、集まったファンを前にアカペラで1曲を披露。続いて募金箱を手に持ち、まずは自ら10ユーロ紙幣を2枚入れると、募金活動を開始。募金をしてくれた1人ひとりと「ありがとう」の意味を込めてしっかりと握手をすると、ツーショット撮影にも笑顔で応じていた。
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