「日本の閉塞感を打破したい」オノ・ヨーコ絶賛映画の主演女優が海外映画祭で挨拶

深田晃司監督(左)と杉野希妃(右)
深田晃司監督(左)と杉野希妃(右)

3月23日から4月3日までニューヨークで行われていた第40回ND/NF(New Directors/New Films)映画祭に日本映画の『歓待』が正式招待され、4月2日、3日の2日間にわたり、深田晃司監督と主演兼プロデューサーの杉野希妃が舞台挨拶を行った。

『歓待』作品紹介
[動画]『歓待』予告編

同映画祭は、新たな才能や作品を紹介する趣旨で行われ、これまでにスティーヴン・スピルバーグをはじめ、スパイク・リーや『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキー、スペインの鬼才ペドロ・アルモドバルなど多くの才能を見い出してきた伝統ある映画祭。

舞台挨拶では「空間の使い方が素晴らしかったが、どういう意図で演出したのか」という質問が寄せられ、深田監督は「この映画では、1階と2階をつなぐ階段が重要な意味を持つので、“縦の関係”というのを意識しました。絵画的というより建築的な映画だと思っています」と説明。

本作は、下町で一見、平和に暮らしていたある一家のもとに1人の流れ者が入り込み、“平和”な日々をかき乱していくという内容。これについて、「日本社会は、主人公の家族が置かれたような状況になるべきだと思うか」と聞かれた深田監督は、「私個人としてはなるべきだと思います。経済の問題もありますが、それ以上に日本人の価値観はもっと異文化にもまれてぐちゃぐちゃになった方がいいと思います」とコメント。杉野も「日本の閉塞感を打破したいという気持ちで『歓待』を作りました。世界が繋がるべき今こそ、“歓待”というテーマについてより多くの方に考えていただきたい」と語っていた。

3日に行われた『歓待』の上映にはアーティストのオノ・ヨーコも来場し、「素晴らしかった! 特に脚本がよくできていた」と絶賛。また同日は、クリーブランド国際映画祭、香港国際映画祭、ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア国際映画祭、イスタンブール国際映画祭でも本作が上映され、注目の高さを示していた。

『歓待』は4月23日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開される。

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