ドキュメンタリーの巨匠ワイズマンが描くボストン市役所の裏側
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11・12公開『ボストン市庁舎』予告編が公開
ドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマン監督が、故郷であるマサチューセッツ州ボストンの市役所を撮影した最新作『ボストン市庁舎』が、11月12日より全国で公開される。この度、その予告編が公開となった。
『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』(17年)で知られるドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマン監督が生まれ、現在も暮らす街であるボストンは、多様な人種・文化が共存する大都会だ。
そこに映し出されるのは、警察、消防、保険衛生、高齢者支援、出生、結婚、死亡記録など、数百種類ものサービスを提供する市役所の仕事の舞台裏。そして、マーティン・ウォルシュ市長をはじめ、真摯に問題に対峙し奮闘する職員たちの姿だ。
「人々が共に幸せに暮らしていくために、なぜ行政が必要なのか」(ワイズマン監督)を紐解いていく本作品は、20年のヴェネツィア国際映画祭でのアウト・オブ・コンペティション部門のほか、20年のトロント国際映画祭に正式出品され、カイエ・デュ・シネマの20年ベスト1をはじめ、世界で絶賛されている。
私たちの生活に密接に関わる「市役所」の役割とは?
公開された予告編では、ボストンの美しい建築物や風景を挟み込みながら、ボストン市民の幸せのため、懸命に多種多様な仕事をする市長や市役所職員たちの姿が映し出されている。
フードバンクや同性カップルの結婚式、NAACP(全米黒人地位向上協会)との話し合いや看護師の支援、野良犬のクレームに至るまで次々と寄せられる市民からの電話への対応……。
ウォルシュ市長は、「もし困ったことが発生したら、市長の私に電話を。通りで私を見かけたら声をかけて」と市民に呼びかける。そこには、“誰一人取り残さない政治をしたい”という市長らの気概が確かに存在している。
18年秋から19年冬にかけてのトランプ大統領在任時期に撮影されたこともあり、この作品は、トランプ政権下でいかにアメリカ民主主義を守るかというボストン市庁舎の挑戦の記録でもある。
しかし、トランプがいなくなっても、コロナ禍で新たな分断が生まれている今日、日本に暮らす私たちにも無縁ではない「市民のための市役所」のあり方は必見といえるだろう。
『ボストン市庁舎』は、11月12日より全国で公開される。
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