カンヌ国際映画祭常連の河瀬直美監督。その最新作『朱花(はねづ)の月』が、第64回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが明らかになった。河瀬監督は1997年に『萌の朱雀』で同映画祭新人監督賞にあたるカメラドールを受賞。2007年に『殯の森』でも同映画祭の準最高賞にあたるグランプリを受賞するなど、カンヌに縁の深い日本人監督だ。
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映画は、河瀬監督の故郷である奈良県を舞台に、遠い過去と未来を繋ごうとする男女の姿を描き出す。タイトルの朱花とは、万葉集に出てくる言葉で“赤”を意味する。赤は命を象徴するかのような色であり、かつ、色褪せしやすい儚さもあり、河瀬監督はその二面性をタイトルに託したという。
本作について河瀬監督は「古代、飛鳥地方では多くの歌が詠まれ、彼らの想いは千年の刻を超え、わたしに受け継がれ、『朱花の月』が誕生した。奈良の奥深い歴史を背景に、人間が“生きる”ということを描いた作品」と説明。歴史のなかからは抜け落ちてしまったが、その時代を懸命に生きた人の物語を紡いだともコメントした。
第64回カンヌ国際映画祭は5月11日〜22日まで開催。『朱花の月』は9月より渋谷ユーロスペースほかにて全国順次公開となる。
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