バレリーナとして世界で活躍をしてきた草刈民代のラストダンスを、夫である周防正行監督が1本の作品に仕上げた『ダンシング・チャップリン』。『Shall we ダンス?』(96年)以来、15年ぶりにタッグを組んだこの映画が4月16日に公開初日を迎え、銀座テアトルシネマで行われた舞台挨拶に周防と草刈が姿を現した。
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2人が登壇するなり、客席からは「ブラボー!」という声。周防は上映中に起こった地震に触れ、「先ほど揺れがあって、そんななかで最後まで映画をご覧になっていただきありがとうございました」と挨拶。
一方、草刈は満員の客席を見ながら「本日はありがとうございます。このような満員のなか、1回目の上映を迎えられ、大変嬉しく思っています」と感謝の意を示すと、「もう踊れませんので、このようには」と話し、会場を笑わせていた。
本作は「第一幕」がドキュメント、「第二幕」がバレエという構成になっている。その理由について周防監督は「プロデューサーと、バレエを見たことがない、自分にはあまり関係ないと思っている人でも楽しんでもらえるバレエ映画にしたいと話していた。撮影後に編集をしながら、バレエ作品を見てもらう前に、バレエを作る過程を見てもらえたら、もっと楽しんでいただけるかと思った。(途中)アクシデントもあったが、背景にあるのは振付家の思いやダンサーの厳しい世界。そこに触れてもらうことで、バレエを見慣れていない人でも作品を楽しんでもらえるかなと」と二幕構成に至った経緯を明かしていた。
また、大変だったことを聞かれて、カメラマンの仕事を挙げた周防監督。「ダンサーは本番に合わせて体を作るので、いつ本番がスタートするのかわからないと体が作れない。そのため、毎日撮影開始時間をきっちり決めた。なおかつ、1日にその曲を全力で踊れるのは2回くらい。うまく撮れなくても『もう1回踊ってくれ』とは言えないので、1回1回の緊張感はいつもの劇映画と全然違っていた」と述懐。
さらに、「映画はよくライブじゃないと言われるが、撮影現場はいつもライブ。(撮影によって)残った映像はライブじゃないけど、現場にいる人間は毎日毎日ライブを撮影している」と、現場で働くスタッフたちの苦労を代弁していた。
この日(4月16日)はチャップリンの生誕122年目の記念日。観客1人ひとりに山高帽にチョビひげが渡され、チャップリンに扮した観客を背景に、草刈と周防監督のマスコミ用撮影が行われた。
その後、周防監督は壇上に上がると、「ずっと公開初日の客席を撮っているので、ぜひ撮影させてください」と客席の撮影を開始。また、最後にコメントを求められた草刈は、「踊りをお見せできるのはこれで最後だと思いますが、楽しんでいただけたら本当に嬉しいです」と話していた。
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