森山未來、伊藤沙莉、森義仁監督が10月4日、新作映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』のプレミア上映イベントに出席。本作にまつわるトークを展開した。
・『ボクたちはみんな大人になれなかった』のプレミア上映イベント、他写真3点はこちら!
21歳から46歳まで演じた森山未來「こんなに顔のケアをしたのは初めて」
森山は「緊急事態宣言が明けて、心置きなく映画館に来ていただける状況が嬉しいです。ぜひ本作もこのように劇場で楽しんで頂きたい」と語り、伊藤は「本作のSNSでの宣伝や『原作のかおり役は誰がやるんだ』などのご意見も陰ながら見させて頂いていましたので、こうやって皆さんに見て頂けるのが楽しみです」と挨拶。続いて森監督も「満席の座席を見られて嬉しいです。今の時期も、撮影の時もコロナで大変でしたが、このような日が来て嬉しいです」とそれぞれこの舞台に立てた迎えた喜びを語った。
森山は劇中で21歳から46歳までを見事に演じ分けているが、心がけていることや難しかった点を問われると「僕の実年齢は37歳ですが、ビジュアルに関しては、本当にあの手この手を使って、こんなに顔のケアをしたのは初めてでした」と会場の笑いを誘った。続けて「容姿の変容も見どころの1つですが、主人公の佐藤がどういう場所・環境に出会って、人間関係が複雑に、そして多様になっていくかの様子を見て欲しいですし、そこから“大人とはなにか”という事を見た人には考えてもらいたいですね」と語った。
MCから、原作のかおり役は誰になるのかと世間はやはり気になっていたようだと言われると、伊藤は「ずっとそわそわしてました。でも演じてみて、みんなの中にもかおりのようなそれぞれの存在がきっといると思いますので、そのような存在を目指して演じました」と話した。
森監督が、森山と伊藤の演技は何点だったか問われると、森山と伊藤は同じポーズでのけぞり体をこわばらせる息の合い方を見せる。監督は「ノーコメント!」とはぐらかそうとしたが「初監督である自分が点数をつけるなど恐縮ですが、2人とも想像の5倍、10倍の演技力だったので、800点くらいだと思います」と予想を上回る高得点をたたき出した。
森山と伊藤は今作が初共演。森山に伊藤の共演してみての感想を聞くと「初めて人を好きになった感情を手繰り寄せて演じなければいけなかったので、最初の頃は緊張していましたが、その近づいていく過程が楽しくて、とても贅沢な時間でした。まるで2人でドライブをしているような感覚でした」と思いを述べた。
“現在の自分は大人度何%か?”
さらに、映画タイトルにちなみ、“現在の自分は大人度何%か?”という質問に、悩みながらも森山は「大人をどう判断するかにもよりますが、年の数くらいでしょうか。なので37%くらいですかね」とやや控えめに回答。伊藤は「この先もずっと50:50でいられたらいいなと思います。昔は早く大人になりたいと思ったり、大人の顔色をうかがっている時期もありましたが、いま大人になってみて失うものもあったりしますよね。私は人の意見や考えを『待てる人』が大人だと思うので、現状は50%くらいですかね」と回答。そして最後に森監督ははっきりと「分からない」との回答だった。「この質問は取材などでもよく聞かれるのですが、やっぱりこの答えは出なくて、これを考えるのが、この映画なのではないかなと思います」とメッセージを送った。
イベントの最後に、森監督は「主人公は強者でも弱者でもなくちょうど真ん中の、普段目立たない人物像を表現しています。でもそういう人の方が世の中多いと思うので、たくさんの人に見てほしいです」と本作をアピール。伊藤は「主人公世代ドンピシャの人はもちろん、私のように少し世代がずれていても、同じように楽しめる。撮影も美術も衣装もメイクもいい、トータルでとても美しい物語になっていますので、皆さんの感想が楽しみです」と述べた。
最後に森山は「1995年から2020年を駆け抜ける映画になっていて、そのなかでもコミュニケーションツールの変容が目覚ましいです。文通に始まり、ポケベル、最終的にはSNS。そして、コロナ禍までも描いている。そこには『出会いたい』『つながりたい』と思う気持ちがあり、これは昔から変わらないものだと思います。この映画はその根源のエネルギーみたいなものが見れる作品だと思います」と語り、イベントを締めくくった。
『ボクたちはみんな大人になれなかった』は11月5日より全国公開。
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