終戦を知らず30年ジャングルで生きた“最後の日本兵”小野田寛郎に「日本に、僕と一緒に帰りませんか」
『ONODA 一万夜を越えて』劇中写真がホンモノそっくり
終戦からおよそ30年を経た1974年3月日本に帰還し「最後の日本兵」と呼ばれた旧陸軍少尉・小野田寛郎の史実を映画化した『ONODA 一万夜を越えて』が10月8日より全国で公開される。このたび、当時の報道写真と劇中場面写真の比較画像が公開された。
公開された写真は2点。
冒頭に掲げたのは、鈴木紀夫が小野田を発見した証拠として持ち帰った2ショット写真。終戦後の1949年に生まれた鈴木が、自身の夢である「パンダ、小野田さん、雪男の順番で発見すること」のうちひとつを見事に叶えた瞬間だ。
・「玉砕はまかりならぬ」名優が演じた“陸軍中野学校の神髄”『ONODA 〜』イッセー尾形インタビュー
続いて、鈴木に発見された際の小野田の報道写真(上)と本作品の劇中写真を比較した画像を掲げる。
対応する劇中写真は、津田寛治演じる小野田が、25年以上ジャングルで共に生き抜いた小塚を亡くして孤独に苛まれていた時、突然目の前に現れる仲野太賀演じる旅人・鈴木との2ショット写真だ。
シャツにジーンズ、靴下にサンダル履きの鈴木を警戒し銃を向ける小野田に対し、鈴木はこう話しかけたという。
「話がしたいんです。とても長く、辛いご経験をされたと思います。戦争は終わりました。昭和20年に。小野田さん、どうするおつもりですか。ここに骨を埋めるおつもりですか。日本に、僕と一緒に帰りませんか」
この言葉が小野田の長い長いたった一人の戦争を終えるきっかけとなった。
この津田と 仲野のシーンは、2019年の初めにカンボジアのジャングルで一晩中かけて撮影。精悍な顔つきの津田に対し、朗らかで社交的な仲野の対比が平和の尊さを訴えるかのようだ。
もう1枚は、30年ぶりにジャングルから出た小野田の報道写真(左)と本作品の劇中写真を比較した画像。
終戦間近の1944年に秘密戦の特殊訓練を受けていた小野田が、フィリピン・ルバング島に上陸するも、上官からの「玉砕は一切まかりならん」との命を守り、任務解除されないまま過ごした約30年の過酷なジャングルでの生活が終わりを告げた瞬間だ。
いずれも、本作品が史実に基づいて創られているかがわかるショットとなっている。
『ONODA 一万夜を越えて』は、10月8日より全国で公開される。
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