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キツネやカタツムリ、妖精まで…実写とは思えない繊細で凝ったメイク&衣装に驚嘆!

イタリアの児童文学「ピノッキオの冒険」の原作の世界観を美しくも残酷に実写映画化した『ほんとうのピノッキオ』が、11月5日に公開される。このたび、その特殊メイクや衣装が際立つ場面写真が公開された。

・ピノッキオに命を授けたのは、妖精ではなく、ジェペット爺さんだった!『ほんとうのピノッキオ』

公開された場面写真には、ピノッキオが旅の最中出逢うキツネやカタツムリなど、動物と人間が絶妙なバランスでハイブリッドされた奇妙な生き物たちから、ターコイズブルーのカールしたヘアを持つ妖精に至るまで美しくも妖しいキャラクターたちが登場するが、これらはCGではなく特殊メイクによるもの。

19世紀後期を思わせるおとぎの国の世界観を匂わす繊細でディテールに凝った衣装と共に、こうした特殊メイクが本作品の幻想的な世界観を表現する上で欠かせないものであることがわかる。

実際、イタリアのアカデミー賞にあたる2020年ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では、衣装デザイン賞、メイクアップ賞、ヘアスタイリスト賞ほか5部門で受賞。翌年の英国アカデミー賞では、メイクアップ&ヘア賞、米アカデミー賞では衣装デザイン賞・メイクアップ&ヘアスタイリング賞にそれぞれノミネートされている。

これらを手掛けたのは、『ハリー・ポッター』シリーズや『ボヘミアン・ラプソディ』などで特殊メイクを手掛け、『グランド・ブダペスト・ホテル』や『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で2度のアカデミー賞に輝いたマーク・クーリエのほか、ガローネ作品の常連スタッフであり、ガローネ監督がディレクションした2020-2021秋冬Diorオートクチュールコレクションの特別映像『LE MYTHE DIOR』でも衣装デザイナーを務めたマッシモ・カンティーニ・パリーニら一流クリエイター。マッテオ・ガローネ監督が、「見る者を魔法の世界に入り込ませ、キャラクターと一緒にいるような気持ちにさせなくてはいけない」と語るその狙い通りの世界観を生み出している。

なかでも一番苦労したというのが、ピノッキオの特殊メイク。驚くほどリアルに再現されたその顔の木目はCGではなく特殊メイクで、ピノッキオ役のフェデリコ・エラピは、撮影当時8歳にもかかわらず、3ヵ月間毎日4時間このメイクを受けて撮影に臨んだという。

これには、多くの作品で特殊メイクを手掛けるマークも「1週間や2週間ならまだしも、3ヵ月なんて誰もやったことがない」と前代未聞の試みだったことを明かす。

美しくも恐ろしいダークファンタジー、“大人のための”ピノッキオ

本作品は、アカデミー賞2部門(衣装デザイン賞/メイクアップ&ヘアスタイリング賞)ノミネート、その年公開のイタリア映画No1の動員数を誇った、絢爛にして驚きに満ちたダークファンタジー。

貧しい木工職人のジェペット爺さん(ロベルト・ベニーニ)の手により丸太から作られた人形・ピノッキオ(フェデリコ・エラピ)が「人間の子どもになりたい」と願いジェペットの元を飛び出すと、森の奥深くへと誘われる。道中、ターコイズ・ブルーの髪を持つ心優しき妖精の言いつけにも、おしゃべりコオロギの忠告にも耳を貸さず、行く先々でトラブルを巻き起こす。

ガローネ監督は、この物語を知っていると思い込んでいる人々を驚かせる方法として、原作に立ち返って制作した。

『ほんとうのピノッキオ』は、11月5日に全国公開される。

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