最後の日本兵・旧陸軍少尉・小野田寛郎を演じた遠藤雄弥が「感無量」

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遠藤雄弥
遠藤雄弥

監督の芝居を見る集中力に何かを感じた

終戦を知らぬまま30年もの間、フィリピンのジャングルに留まっていた実在の日本兵を描いた映画『ONODA 一万夜を越えて』が10月8日より公開。ムビコレでは遠藤雄弥のインタビューを掲載している。

30年間、密林に潜伏──人間の極限を演じた注目俳優/『ONODA 一万夜を越えて』遠藤雄弥インタビュー

1974年3月にフィリピンのルバング島から日本に帰還した元日本兵・小野田寛郎氏の約30年間に及ぶ潜伏生活を描いた本作。フランスの気鋭、アルチュール・アラリ監督が父親から聞かされた日本兵の話をもとに、ジャングルでの過酷な生活を通して人間の本質に迫っている。第74回カンヌ国際映画祭『ある視点』部門オープニング作品として上映され、現地で絶賛を博した。

アラリ監督も参加したオーディションで、青年期の小野田役を射止めた遠藤。「オーディションを受けた時に、監督の芝居の捉え方というか、見る集中力といいますか、それが役者としてはすごく心地良くて、この人と映画を作りたい、と心底思ったんです。終わり際には『坊主はもちろんですけど、減量も何でもするので、とにかく一緒にやりたいです』と気持ちだけは監督にお伝えしました。だから(出演が決まった時は)本当に感無量でした。あんなに良いクリエイターと映画作れるんだ、というのが僕としては本当にすごくうれしくて。一生に一度あるかないかの役と現場、作品になるだろうと、オーディションの時から思ってました」。

アラリ監督とは常に通訳を介してのコミュニケーションとなったが、監督とは言葉を超えた何かでつながっていたと語る。「オーディションの時から監督の芝居を見る集中力に、言葉とか文化を超えた、“シナプスがつながる”じゃないですけど、何かを感じたんですよね。それは現場でもずっとつながっていました。これは僕だけじゃないと思います。(通訳の)澁谷君の尽力、プラス役者陣と監督の信頼関係というか。すごく役者に寄り添っていただけるんです。その安心感とか信頼が大きかったのかもしれないです」。

フィリピンに取り残された小野田らがジャングルで生活するシーンは、カンボジアで撮影を敢行。「カンボジアに行く前は、僕ら4人で『籠(こも)ろう』と話してました。『寝泊まりぐらいはロケ地で野営組んで自分らでやろう』と言ってたんですよ。でも現地に行ったら、『これはちゃんとホテルとかでリセットしたほうが、むしろうまくいくな』という結論に達しました。週休2日だったんです。土日はお休みで撮影が一切なくて、オフの時間もあったので、体を休めたりシナリオを読んだりすることができました」。遠藤雄弥が撮影時のエピソードを語るインタビュー全文はこちらから!

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