『もし高校野球のマネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』が6月4日に初日を迎え、前田敦子、瀬戸康史、峯岸みなみ、池松壮亮、川口春奈、田中誠監督がTOHOシネマズ 六本木ヒルズで舞台挨拶を行った。
本作は、女子高生とドラッカーという異色の組み合わせが話題を呼びベストセラーとなった小説を映画化した青春物語。上映後の客席を見回した前田は「とりあえずみなさんが笑ってくださっているので、ちょっと安心しました」と安堵の笑顔を浮かべた。前田にとっては記念すべき初主演作となるが「こういう青春映画に出られるのは、今しかないんだろうと思います」と感慨深げに語ってから、仕事柄、プライベートではあまり実感できない青春を、この映画を通じて実感できたとも話していた。
そんな前田を劇中で殴ってしまった池松は、お互いに信頼関係を持ち役者として演技に徹したと前置きしてから、前田ファンに向け「それでも納得できない方がいたら、後日、会いに来ていただければ」と覚悟の面持ち。「後ろから刺される以外だったら、何でも受けて立ちます」と宣言し、場内の笑いを誘っていた。
前田扮するマネージャーが弱小野球部を奮起させ、甲子園へと導く様子が感動を呼ぶ本作。司会から、撮影を通じて学んだことを聞かれた瀬戸は、「真冬に真夏の設定はキツいと学んだ」と寒かった撮影を恨めしそうに振り返るも、「スタッフの方々と一緒に雪かきしたことで、チームワークが芽生えた」と、実りもあったと話していた。
川口は「何をするにも気持ちや(取り組む)姿勢が大事だということを学びました。劇中に『結果ではなくプロセスの方が大事』というセリフがありますが、本当にそう思います」と語った。
また、この日は仕事の都合で舞台挨拶に参加できなかった野球部監督役の大泉洋との交流について明かしたのは峯岸。「今、食べ物のなかで4番目に餃子が好きなんですけど、(餃子の街でもある)宇都宮の球場で撮影していたので、お昼に餃子が出たことがあったんです。とても楽しみにしていたのですが、取材を受けている間になくなっちゃって……。あまりにも楽しみにしていたので少し涙が出てしまった」と説明してから、「それを見た大泉さんがスタッフさんに『用意してあげて』と言ってくれて」と、撮影後に無事餃子を食べることができたことを明かし、「いい人だなと思った」と一言。さらにそんな大泉がふてくされているときにジュースをおごってあげたエピソードも披露していた。
一方、「劇中のキャラクターには、どこか等身大の“本人”たちがにじみ出ているような気がします」と語ったのは田中監督。映画については「この年になってつくづく、映画とは理屈ではなく感じるものなんだと思う」としみじみした口調で言ってから、「今回は“ドラッカー”を感じる映画にしたかった。本を読んだときとは違う、『生理的に(本質を)つかんだ』という気持ちになってほしいと思いながら作りました」と客席に語りかけていた。
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