新幹線にまつわる噂を信じて奇跡を呼び寄せようとする兄弟が繰り広げる小さな冒険を描いた『奇跡』。この映画が6月11日より公開となり、新宿バルト9で行われた舞台挨拶に、小学生お笑いコンビのまえだまえだ(前田航基、前田旺志郎)、大塚寧々、樹木希林と、是枝裕和監督が登壇した。
『誰も知らない』で、当時14歳だった柳楽優弥に史上最年少でのカンヌ国際映画祭最優秀男優賞をもたらした是枝監督。今回も子どもたちの自然な表情を見事に引き出しているが、その演出方法について「子どもたちの個性をなるべく生かしたいと思ったので、現場では『これはしちゃいけない、あれはしちゃいけない』という制約を作らず、子どもたちが自由に動けるような環境を整えた」と話していた。
物語は、両親が離婚し、父に引き取られた弟・龍之介(弟の旺志郎)と離れ、母と祖父母と暮らす小学6年生の航一(兄の航基)が、離れ離れになってしまった家族を再びひとつにしたいと考え、ある計画を実行していくというもの。母役を大塚が、父役をオダギリジョーが演じている。
大塚の印象を聞かれた航基は「メッチャ優しかった。でも、家族4人でたこ焼きを食べてケンカになるシーンがあって、1分前まですごく穏やかなしゃべり方でニコニコしていたのに、いきなり『ウワァー』って怒り出した。人間ここまで変われるのかっていうくらい」と振り返ると、旺志郎も「ホンマにびっくりした。さっきまでのどこいったんねん!」と、その変貌ぶりに突っ込みを入れていた。
すると、隣に立っていた樹木から「おばあちゃんはどうだった?」という質問が。樹木の方を見た航基は「おばあちゃんは、こんな感じで相変わらずマイペース。だけど、おばあちゃんがいると、『もうリハーサル、いいんじゃない』みたいな感じになってポンポンポンポンと(撮影が)進んで行く。そう言われるとキュッと引き締まって、わりかし一発でいける」と、見事な存在感について説明していた。
一方、父を演じたオダギリについては、旺志郎が「すごいイケメンでスラッとしていて、どこに脂肪があんねんっていうほど細い。だから全然しゃべらないかと思って話しかけたら、メッチャしゃべってくれて、すごい優しい方でした」と話していた。
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