客層は高め、コロナ禍で映画館への足が遠のく
6年ぶりのシリーズ新作で25作目の節目となる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が10月1日から日本など世界54の国と地域で公開されたが、8日からは米国でも公開された。10日までの初日3日間のオープニング興収は5600万ドルで、週末興行ランキング1位となった。ジェームズ・ボンドを演じてきたダニエル・クレイグが今作で最後となる。
・9月興収1位は『マスカレード・ナイト』、43.8億の『東京リベンジャーズ』抜く可能性も!
クレイグ版ボンドの米国での興行成績を見てみると、以下の通り。
『カジノ・ロワイヤル』(06年)オープニング興収4080万ドル、総興収1億6740万ドル
『慰めの報酬』(08年)6750万ドル、1億6840万ドル
『スカイフォール』(12年)8840万ドル、3億440万ドル
『スペクター』(15年)7040万ドル、2億ドル
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は『カジノ・ロワイヤル』を上回ったものの、『慰めの報酬』に届かず、クレイグ版ボンドの最後としてはやや寂しい出足となった。米国では『ブラック・ウィドウ』のオープニング興収が8040万ドル、『シャン・チー テン・リングスの伝説』7540万ドル、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が9000万ドルをあげるなどアメコミ映画は絶好調。アメコミ映画に比べると『007』の客層は中高年が多く、コロナ禍で映画館へ足を運ぶのをためらった人が多かった。
また『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の上映時間が2時間43分と長いことから、映画館で上映回数が少なくなってしまうことも興収が伸び悩んだ要因とみられる。
なお、10月10日時点の世界興収は3億1330万ドル。前作『スペクター』の世界興収が8億8100万ドル。世界最大の映画市場、中国での公開が10月29日に控えている。どこまで興収を伸ばせるかは中国の興行成績次第といえそうだ。(文:相良智弘/フリーライター)
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