配信サービス作品の製作費、潤沢ながらもスタッフに回らない状況明らかに
映画やTV、舞台のスタッフたちが加入する労働組合「国際舞台演劇・映画従事者同盟(IATSE)」が「全米映画テレビ協会(AMPTP)」と合意に達し、18日(現地時間)に予定されていたストライキは回避された。
・労働に見合う報酬を! コロナ禍の負荷増大で、ハリウッド労組
ハリウッドの映画、TV制作現場の労働条件改善や賃上げを求めてAMPTPと交渉を続けてきたIATSEは先週、着地点の見えない状況を打破するために、要求が受け入れなければ18日(現地時間)からストライキも辞さないと表明していた。
両者は約6万人のIATSE組合員を対象に3年の新契約で暫定合意に達した。
前日の撮影終了から最低10時間以上の休息の確保、週末の休息は54時間以上、多様性や平等、包括性を受け入れた労働環境の保証、年間3%の賃上げといった内容が盛り込まれた。
ハリウッドでは配信サービスの隆盛による制作本数の増加、コロナ禍で中断されていた制作が一斉に再開したことによる労働時間の長時間化で、撮影スタッフたちは最低限の休憩も取れない状況が続いていた。
AMTPTはウォルト・ディズニーやワーナー・ブラザースなどの大手映画会社に加えてNetflixやAmazon、Appleなどの動画配信サービス事業者も代表している。
IATSEによると、配信サービスの作品は劇場公開映画を上回る製作費があるにもかかわらず、スタッフの賃金を低く抑える傾向があったという。今回は配信サービス作品の制作現場の条件の改善も契約に盛り込まれている。
新たな契約は西海岸を拠点とする約4万人の組合員が対象で、彼らの同意をもって契約成立となる。東海岸などその他の地域の交渉は今後も続く。
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