「きみの背中が欲しい」…欲と引き換えに体を売った相手は、天使か悪魔か?

#アカデミー賞#ヴェネツィア国際映画祭#カウテール・ベン・ハニア#ゲーテ#ケーン・デ・ボーウ#ファウスト#メフィストフェレス#モニカ・ベルッチ#ヤヤ・マヘイニ#東京国際映画祭#皮膚を売った男

皮膚を売った男
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『皮膚を売った男』は“恵まれた側”の人間になれるのか? 衝撃の本編映像公開

昨年20年ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門で男優賞を受賞、東京国際映画祭でも正式出品され、第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた話題作『皮膚を売った男』が、11月12日に公開される。このたび、主人公のサムに芸術家のジェフリーが「背中を売って欲しい」ともちかける衝撃の本編映像が公開された。

・「私があげよう。自由に飛べる絨毯を」…大金と引き換えに自分の“背中”を売った難民の末路

公開された映像は、薄暗いバーで酒を片手に、主人公のサムと世界的芸術家のジェフリーが話すシーンだ。

「ベルギー出身で、アメリカ人でもある」と語るジェフリーに対し、身分の違いを痛感したサムは「恵まれた側の人間か」と皮肉を口にする。

すこし間を置いて、サムは思い出したように、「ガールフレンドがベルギーに」と物悲しい表情を浮かべる。ビザが取得できないことから離れ離れになってしまったガールフレンドのアビールがいるのだ。

サムに「なぜ一緒にいない?」「なぜだ?」会えない理由をしつこく聞こうと食い下がるジェフリー。

とうとう頭に血が上ったサムは、「無理なんだよ! あんたには可能でもね。あんたはどこでも好きな場所へ行ける」と、ジェフリーに強く当たる。

皮膚を売った男

そんな怒れるサムに対し、ジェフリーは「君のエネルギーは素晴らしい。強い怒りを感じる。“怒れる若者”だ」と感心する。

少し冷静になったサムは、「救いに行かなきゃならない。でも馬がない」と寂しそうに呟く。

するとジェフリーは、「必要なのは馬じゃなく、空飛ぶ絨毯だ。私があげよう」と、サムに思いがけない提案を投げかける。

その言葉にサムは「なぜだ? ランプの魔人なのか?」といぶかるが、ジェフリーは本気で「そうだ。もしくは、悪魔のメフィストフェレス(ファウストと魂をかけた契約をする悪魔)だ」と返す。

「僕の魂が欲しいのか?」とサムが言うと、ジェフリーは「きみの背中が欲しい」と、前のめりで訴える。

 

果たして、空飛ぶ絨毯と引き換えに悪魔に自分の背中を受け渡したことで、サムはほんとうに“恵まれた側”の人間になれるのか?(https://hifu-movie.com)

“自由”を得るために自らがアート作品となった男の運命は?

本作品は、自身がアート作品となることで高額の報酬を手に入れることとなった1人の男の物語。

皮膚を売った男

サムは、当局の監視下にあり国外へ出られなくなってしまう。海外で離れ離れになった恋人に会うため出国したいと考えていた彼は、偶然出会った芸術家からある提案を受ける。それは、背中にタトゥーをして”アート作品”となることだった。芸術品となれば大金を得ることができ、展覧会の度に海外にも行けると考えた彼はオファーを受けたが、次第に精神的に追い詰められてゆく。高額で取引されるサムを待ち受ける運命とは……?

サムに扮するのは、第77回ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門で男優賞を受賞した主演のヤヤ・マヘイニ。そのほか、『Uボート:235 潜水艦強奪作戦』のケーン・デ・ボーウが芸術家のジェフリーを演じるほか、『マレーナ』や再構築されての公開が決まっている『アレックス』のモニカ・ベルッチらが脇を固める。監督は、カウテール・ベン・ハニア。

『皮膚を売った男』は、11月12日(イイ皮膚)に全国公開される。