クリント・イーストウッドの集大成作にスピルバーグらが熱いエール
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東京国際映画祭オープニング上映『クライ・マッチョ』特別映像を公開
半世紀以上にわたり第一線で活躍を続ける名優にして、『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』で監督として2度のアカデミー賞に輝く巨匠クリント・イーストウッド。監督デビュー50周年記念作品で、監督・主演を兼任する最新作『クライ・マッチョ』が来年22年1月14日から、全国で公開される。40年前から検討されていた原作の映画化に満を持して向き合った同作は、まさに彼の集大成にして新境地だ。
この度、10月30日に開幕した東京国際映画祭のオープニング上映に、クリント・イーストウッドからのコメントと、スティーヴン・スピルバーグらがコメントを寄せる特別映像が公開された。
イーストウッドからのコメントでは、オープニング作品選出の喜びとセレモニーに参加できない悔しさをにじませる内容に続き「この映画を通して、私が信じる“本当の強さ”を感じてもらえると嬉しいです。『クライ・マッチョ』はコロナ禍に撮影されたものです。私はこの作品が映画業界に、勇気と強さをもたらす作品の一つになればと思っています」と作品に込めたメッセージが語られている。
特別映像では、西部劇の傑作『アウトロー』(76年)、アカデミー賞5部門受賞の『許されざる者』(92年)、“マッチョ”な役柄を演じた『ダーティファイター』(78年)など、イーストウッド監督作品の名シーンでその軌跡を振り返る。
「イーストウッドはアメリカンヒーローの神髄。私たちがありたいと思う人物像だ」と語るのはプロデューサーのアルバート・S・ラディ。
続いて、『父親たちの星条旗』(06年)、『硫黄島からの手紙』(06年)、『ヒア アフター』(10年)などを製作したスティーヴン・スピルバーグが「クリントはアメリカを象徴する監督だ」とコメントを寄せる。
メル・ギブソンは「アメリカの琴線に触れる感情を描く。アメリカの心と通じている」と、その演出力と演技力の双方を讃える。
そして、アカデミー賞4部門に輝いた『ミリオンダラー・ベイビー』(04年)で主演女優賞を受けたヒラリー・スワンクが「長年の経験から直感を信じて映画をつくる」と続ける。
91歳にしてなお「真の強さ」を追い求める原動力とは?
製作のティム・ムーアは、イーストウッドから『クライ・マッチョ』の脚本があると伝えられた。主人公のマイクは、元ロデオスターで本物のカウボーイを体現するイーストウッドらしい役だ。
マイクは、元雇い主の依頼でメキシコで暮らす14歳の少年ラフォを誘拐して連れ戻す旅に出る。「昔はマッチョだったんだろ? 」と問いかけられ、「昔の俺は凄かった。だが今は違う」と自らの老いを認める落ちぶれたカウボーイだ。
さらにムーアは、同作では「人間関係のきらめきも描かれる」と語る。マイクは旅の途中で食堂を営む女性マルタと出会う。互いに自己紹介した 2人には、どんなきらめきが待っているのか。『マディソン郡の橋』(95年)を思い出させるダンスシーンが印象的だ。
『クライ・マッチョ』は、「とても感動的で、イーストウッド映画で見られる“象徴的な瞬間”が含まれている」と語るティム・ムーアは、「彼には夕日に向かって、馬に乗って行ってほしいと思う」と語る。
『スリー・ビルボード』(17年)の名カメラマン、ベン・デイビスがとらえた美しいメキシコの荒野の風景を走るマイクの姿に重ねて、「人生には決め時ってもんがある、今がその時だ」の名台詞が刻まれる内容となっている。
91歳を迎えてなおも現役を続けるクリント・イーストウッドが問う“マッチョ”=「真の強さ」とは……。
クリント・イーストウッドの集大成にして新境地となる『クライ・マッチョ』は、来年22年1月14日から、全国で公開される。
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