メイズルス兄弟
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ゴダール曰く「アメリカ最高のカメラマン」

ドキュメンタリー界の巨匠・メイズルス兄弟の代表作『セールスマン』(69年)が、12月11日〜12月24日の2週間、下高井戸シネマにて限定上映される。製作から半世紀以上を経ての公開を記念して、18年以来の劇場公開となる傑作『グレイ・ガーデンズ』(75年)、その前日譚ともいえる作品『あの夏』(17年)も併せて公開される。

アルバート・メイズルス(1926〜2015)、デヴィッド・メイズルス(1931〜1987)は、アメリカ・ボストンに生まれ、60年代に始まるドキュメンタリー映画の潮流“ダイレクト・シネマ”の代表的映画監督である。

兄アルバートは、 ケネディとハンフリーの大統領予備選を追った『Primary』(60年)にカメラマンとして参加するなどした後、弟デヴィッドと共同での映画制作を始める。

2人の代表作には今回上映される『セールスマン』『グレイ・ガーデンズ』の他に、初訪米時のザ・ビートルズに密着した『ザ・ビートルズ ファースト U.S.ヴィジット』や、コンサート中に観客が刺殺される瞬間も捉えた『ローリング・ストーンズ・イン・ギミー・シェルター』、美術家のクリスト&ジャン・クロードを追った『クリストのヴァレー・カーテン』などがある。

デヴィッド亡き後もアルバートは、『アイリス・アプフェル! 94歳のニューヨーカー』などを発表したほか、撮影監督としてオムニバス映画『パリところどころ』のゴダール篇にも参加。そのときのことを振り返り、ゴダールは彼のことを「アメリカ最高のカメラマン」と評している。

ダイレクト・シネマを牽引『セールスマン』(69年・91分)

本作品は、低所得者向けに高額な聖書を訪問販売するセールスマンという無名の人々と資本主義社会の悲哀を映し出すメイズルス兄弟の代表作。

メイズルス兄弟

『セールスマン』

「我々だけでカメラを回し、映画のために演出をしたり、指示することなど一つもせず、“その場で起こったありのままを写した”」と監督たちが語るように、後の“ダイレクト・シネマ”と呼ばれるムーブメントを牽引したことでも知られ、映画史に名を刻む。

多くの著名人がお気に入りに挙げる『グレイ・ガーデンズ』(75年・95分)

ジョン・F・ケネディの親族にあたるビッグ・イディと、その娘リトル・イディの生活に密着したドキュメンタリー。

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『グレイ・ガーデンズ』(1975)

マーク・ジェイコブスやアイザック・ミズラヒといった名だたるファッションデザイナーや、『Rookie Yearbook』などで知られるタヴィ・ゲヴィンソンがお気に入りの1本として挙げるほどの人気作だ。日本での劇場公開は18年以来となる。

メカスの映像も駆使した『あの夏』(17年・80分)

アンディ・ウォーホル、トルーマン・カポーティ、ミック・ジャガーらがひと夏を過ごしていた72年のモントーク。写真家ピーター・ビアードはモントークのすぐ近く、イースト・ハンプトンに住む『グレイ・ガーデンズ』で一躍有名になる前のイディ母娘を捉えていた。本作には、ジョナス・メカスやウォーホルによる映像も一部使用されている。

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『あの夏』

『セールスマン』は、文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業として、下記のスケジュールにて12月11日〜12月24日の2週間、下高井戸シネマにて限定上映される。

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[会場]下高井戸シネマ
[上映スケジュール]
12月11日〜17日 18:20『グレイ・ガーデンズ』、20:20『セールスマン』
12月18日 18:20『あの夏』、 20:15『グレイ・ガーデンズ』
12月19日 18:20『グレイ・ガーデンズ』、20:20『あの夏』
12月20日〜24日 18:20『セールスマン』、 20:15『グレイ・ガーデンズ』