武士の義と家族の愛を描いた、時代劇初の3D映画『一命』。そのプレミア完成披露試写会が9月26日に丸の内ピカデリーにて行われ、市川海老蔵、瑛太、満島ひかり、三池崇史監督が登場した。
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海老蔵は「三池監督の下、スタッフ・キャストがひとつになって作った作品を、みなさんに見ていただけることを嬉しく思っています」と挨拶。さらに、「私事ですが、みなさまにはご心配をおかけして申し訳ございませんでした。たくさんのご叱咤とご声援をいただき、大変感謝しております。今後は新たな気持ちで精進努力していく覚悟です」と、昨年の暴行事件で世間を騒がせたことへの謝罪を口にした。
本作は今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された。これは実写3D映画としては初めてとなる快挙で、三池監督と瑛太が同映画祭に出席。そのときのことを聞かれた瑛太は「あるシーンでは席を立たれる人もいましたが、ここでは3Dメガネを外してもらえればボンヤリしていいのでは」と、痛そうなシーンを直視せずにすむ方法を示唆。だが三池監督に「ちゃんと見て」と突っ込まれ、「そうですね、ちゃんと見てください(笑)」と訂正していた。
また、時代劇ならではの苦労について聞かれた満島は、「何もかもわからないことだらけで」と前置きしてから、「三池監督には撮影初日に『IQをもう少し上げてくれ』と言われ、それからは、少し品を持って演じてみました」と苦笑い。「お裁縫のシーンも大変でした」と、堅実で賢い武士の娘を演じた大変さを明かしていた。
さらに、タイトルにちなみ、「命懸けで守りたいもの」を尋ねられた登壇者たち。三池監督は「大阪に暮らしている年老いた両親」、満島は「産まれながらに持っている本能」と回答。昨秋に父となった瑛太は「やっぱり家族です」と答え、同じく今夏、娘が生まれた海老蔵は「やはり家族と歌舞伎」と話していた。
『一命』は、製作総指揮をジェレミー・トーマス、音楽を坂本龍一という『ラストエンペラー』コンビがつとめている。原作は滝口康彦の「異聞浪人記」で、1962年に仲代達也主演で『切腹』として映画化され、カンヌ国際映画祭の審査員特別賞を受賞している
それを今、改めて映画化すると初めて聞いたときの感想について三池監督は「無茶なことを考える人がいるなというのが、率直な感想」と笑いつつも、「時代劇文化がなくなりつつある今、我々がそれを継承できるギリギリの機会だと考え、思い切って監督してみました。やってみたら、意外とちゃんとできたかな(笑)。結構、スゴイんです」と自信ありげな表情。そして観客に「静かな映画です。じっくり向かい合っていただければ」と語りかけていた。
映画は10月15日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開される。
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