ベストセラー作家・東野圭吾が初めてラブストーリーを書き下ろし、岸谷五朗と深田恭子が不倫愛を演じたことも話題の『夜明けの街で』。その完成披露試写会が9月27日に、映画の舞台となった横浜にあるパシフィコ横浜で行われ、岸谷と深田をはじめ、木村多江、若松節朗監督、エンディング曲を歌う久保田利伸が登壇した。
・[動画]『夜明けの街で』完成披露舞台挨拶
・『夜明けの街で』完成披露舞台挨拶、その他の写真
岸谷演じる渡部を禁断の恋に走らせる謎めいた女性を演じた深田は、「渡部さんも岸谷さんも、熱くて人間味あふれるところが魅力だと思いました。(ロケ地の)横浜は恋人たちにとって特別な気持ちになれる場所。横浜は楽しい街というイメージでしたが、何度もロケした大桟橋はどこか寂しい感じがして、不思議な魅力があります」と撮影を振り返った。
一方、渡部の貞淑な妻を演じた木村は「私たちが幸せであればあるほど、その後、五朗さんが苦しむことがわかっていたので、私は五朗さんに尽くして尽くして、いたぶるように演じました(笑)」とコメント。それを受けて岸谷は「はい、(撮影の間)苦しかったです。僕と多江ちゃん、僕と恭子ちゃん、という組み合わせで撮影しましたが、2人は撮影中に1度も会っていないので、完成した映画を見て“あなたこんなことしてたのね”と……。これも監督の作戦ですね(笑)」と不倫に悩んだ男の心情を吐露した。
また、若松監督は「東京から横浜まで約1時間。その間、五朗さんは恭子ちゃんと今日は何しようかな、何を食べようかな、とドキドキしながらいい感じになって、帰りは多江ちゃんのところに帰っていくわけですが、1時間というのは冷却期間といいますか心の準備にちょうどいいですね。あ、横浜での不倫を勧めているわけではないんですよ」と語ると、岸谷が「みなさん、わかってますから。大丈夫ですよ」と突っ込み、観客の笑いを誘う場面も。
途中からは、エンディング曲「声にできない〜夜明けの街でver.〜」を歌う久保田利伸も登場。誰の目線でつくった曲なのかという質問に対して、「自分目線でつくって歌って、それを岸谷さんの目線に重ね合わせてもぴったり合ったという感じ」と製作過程を明かした。その歌について岸谷は、「原作者の東野圭吾さんは登場人物の心の動きを繊細に描いているので、映画化するときもそこをはずしてはいけないと監督と話していたんですが、久保田さんの曲を聴いたら、前奏の時点で渡部の苦しみなどの気持ちが伝わってきてびっくりしました」と絶賛。深田も「2人を盛り上げてくれる素敵な曲です」と同調していた。
さらにこの日は、47歳の誕生日を迎えた岸谷のために、深田が「ケーキを用意しました」と微笑めば、木村も「私も」とニッコリ。2人が用意した2つの大きなケーキを前に岸谷は、「どうしよう(笑)。映画のなかで、そのことに関して相当苦しんだので、今日は2つとも楽屋に持ち帰ります」と冷や汗。「ケーキの色も違うし、描かれている文字も英語と日本語で違うし。どこまで……」と困惑しながらも照れ笑いを浮かべていた。
『夜明けの街で』は10月8日より角川シネマ有楽町ほかにて全国公開となる。
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