現在開催中の第16回釜山国際映画祭。この映画祭の「アジアの窓」部門に『アントキノイノチ』が出品され、10月13日夜にロッテシネマ センタムシティー店で行われた舞台挨拶に主演の岡田将生と瀬々敬久監督が登壇した。
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この日は319ある座席はすべて満席で、上映中はすすり泣く声も聞こえていた。岡田は昨年、主演作『雷桜』でも釜山映画祭を訪れており、同映画祭への参加は2年連続。そうしたこともあってか大人気で、上映終了後に岡田が登壇すると、悲鳴にも近い叫び声が上がっていた。
そうしたなか岡田は、韓国語で「みなさん、こんばんは岡田将生です。映画はいかがでしたか。心に響くものがあったならとても嬉しいです。韓国最高! 釜山最高!」と挨拶。
もっとも愛着のあるシーンについては「全部好きですが、そのなかでもラブホテルのシーン。脚本では最後、自分が泣くことにはなってなかったのですが、なぜか分かりませんが、感情が溢れてしまいました」と振り返っていた。
一方、瀬々監督は「今年見た映画のなかで1番好きでした。韓国でも人と人とのつながりが薄く、冷たい社会になっていますが、無条件に与える友情とか人への関心がもっと増えるには、どうすればいいのでしょうか?」との質問に、「非常に嬉しい感想をいただき喜んでいます。釜山の前にモントリオール映画祭でも上映して、カナダやアメリカの人が自分たちの国でも同じようなことがあると言っていました」とコメント。
続けて「今の世界で共通する問題。この映画を作りながら思ったのが、他人のことをどれくらい思ってあげられるか。若い頃はみんな、自分のことで一生懸命ですが、そればかりでなく、他人のことを気づかうことで、もっといい世界になると思います。日本と韓国も、より良い関係になれたらいいと思います」と話していた。
また、岡田は「日本の俳優では岡田将生さんが1番好きです。これまでの作品で、1番近い役はどれですか?」との質問に、「これまでは、今までやってきた役は全部、自分とは違うと思って演じてきた。それは自分を見せるのが恥ずかしくて、これを自分だと思ってほしくないという子どもじみた気持ちからきたものです。それが今回は永島杏平として見てもらってもいいし、岡田将生として見てもらってもいいと思っています。今回の役が1番僕に近いのではないでしょうか」と回答。Q&A終了後には観客がステージに殺到し、岡田はサイン攻めにあっていた。
『アントキノイノチ』はは11月19日より全国公開される。
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