第64回カンヌ国際映画祭・監督週間出品をはじめ、各国の映画祭から上映オファーが殺到している『恋の罪』。この映画の完成披露報告会見が11月2日にオーディトリウム渋谷で行われ、水野美紀、冨樫真、神楽坂恵、園子温監督が登壇した。
・[動画]『恋の罪』完成披露報告会見
・『恋の罪』完成披露報告会見、その他の写真
10月24日に神楽坂が自身のブログで園監督との婚約を発表して以来、初めて公の場に登場した2人。司会から「ご婚約おめでとうございます」と祝福されると、園監督は「私の『恋の罪』でお騒がせしてすみません」とタイトルにかけて照れながら報告。会場が笑いに包まれるなか、神楽坂は「とても尊敬できる方で、こうやって巡り会えたことを嬉しく思います」と喜びを語っていた。
本作は90年代に渋谷区円山町のラブホテル街で起きた女性殺人事件にインスパイアされた物語で、「社会、家庭内、性における女性特有の抑圧と、そこからの解放を描いた作品」と語る園監督。
記者から「『日本版セックス・アンド・ザ・シティ』というキャッチフレーズもありますが、どこらへんが?」と質問された園監督は「『どんな映画ですか?』と聞かれたときに、分かりやすいところで『セックス・アンド・ザ・シティ』かなと。その裏通りバージョンというか。セックスと円山町ですし」と答えていた。
水野演じた刑事・和子は、幸せな家族を築きながらも不倫をしているという、“2重生活”を送る役柄。水野はインタビューを受けたときのエピソードを振り返り、「女性インタビュアーは、その役柄を特に不思議に思わず、『女性とはそういうものだ』という共通言語のもとインタビューが始まるが、男性インタビュアーはみなさん『役作りがすごく難しくなかったですか?』と聞いてきて、男女ではっきり分かれたのが印象的でした」と語っていた。
冨樫は、夜になると売春婦へと変貌するエリート助教授・三津子を怪演したが、司会から「強烈な役でシビれました。(役柄が)憑依していたように感じましたが」と問われると、「そうかもしれない。役作りをしても半端なものになってしまう気がして、現場の空気感を大事にしました」と難役を演じた苦労を明かした。
一方、三津子に性の世界へと誘われていく貞淑な主婦・いずみを演じた神楽坂は、冨樫との共演について、「全てのシーンが記憶に残っています。冨樫さんはいつも真摯だし、まだまだ私は新人なので、それ以上にやらなきゃなと思いました」と話すと、冨樫は「リハーサルからずっとやってきたので、お互いの痛みを知っている。神楽坂さんの涙の数が印象的でした」としみじみと振り返っていた。
『恋の罪』は2011年11月12日よりテアトル新宿ほかてに全国公開となる。
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