『世界で一番美しい少年』…一躍“時の人”となり、音楽好きのやんちゃで繊細な少年の人生が一変
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『世界で一番美しい少年』日本版予告編が公開
ルキノ・ヴィスコンティ監督『ベニスに死す』(71年)で主人公を破滅に導く少年タジオを演じて50年。ビョルン・アンドレセンの衝撃の真実を描いたドキュメンタリー『世界で一番美しい少年』が12月17日に公開される。このたび、日本版予告編が公開された。
日本版予告編の冒頭で映し出されるのは、ヴィスコンティが開催した“世界一の美少年、タジオ”を探す大規模オーディションのひとコマ。
集められた数多くの少年たちからビョルンの姿を見つけたヴィスコンティは、彼に歩み寄り、「とても美しい」と言葉をかける。そんなアンドレセンの運命を変えた瞬間を、カメラは捉えていた。
さらに予告編は、カンヌ国際映画祭の華やかな狂騒から、ビョルン来日時のファンたちの熱狂、日本で行われた過酷な芸能活動の様子など、豊富なアーカイブ映像で描き出していくことをうかがわせる。
また本作品では、アンドレセン家が残してきたホームビデオや音源なども多く使用されており、ビョルンが、行動的でありながら音楽好きなごく普通の少年としての一面も映し出される。
さらに、『ミッドサマー』(19年)出演時のメイキング映像も。
彼が熱狂の”あの頃”に訪れた都市を再び巡り、自身の記憶をたどる様子をノスタルジックな映像美とともに映し出していく本作品。ビョルン・アンドレセンというひとりの人間の魅力と悲劇をめぐる旅、そして彼の知られざる人生そのものに光を当てていることが伝わる予告映像となっている。
“世界で一番美しい少年”とレッテルを貼られて50年
これまで語られなかったビョルン自身の物語を明かすことで再び歩き出そうとする彼に寄り添い、5年をかけて製作した監督のクリスティーナ・リンドストロムとクリスティアン・ペトリは、連名で製作意図について下記の通りコメントしている。
「私たちは、単純な返事よりも興味深い問いかけを信じ、これは簡単な物語ではないことも理解しつつ、魅惑的なものとなっていることを心から願っています。そして、多くの層が重なった物語を伝えることで、ビョルン自身の複雑で深みのある人間性がさらに前に向かっていくことを信じているのです」
「私たちはこの映画が、あの少年が他人によって作られたイメージ、アイコン、ファンタジニーとなり、青年期の人生を奪われた物語に耳を傾ける機会を見る者に伝えることが出来ればと願っています。2021年は『ベニスに死す』のワールド・プレミアで、ルキノ・ヴィスコンティがビョルン・アンドレセンを“世界で一番美しい少年”と高らかに宣言してから50年となる年です。その年に、あの少年が真の姿で帰ってきたのです」
「ベルばら」オスカルのモデルが『ミッドサマー』で崖から…
本作品は、ビョルン・アンドレセンを一躍有名にした『ベニスに死す』の裏側、さらには、“世界で一番美しい少年”と呼ばれた彼の栄光と破滅、そして心の再生に向けた道のりを映しだした衝撃のドキュメンタリーだ。
“世界で一番美しい少年”として、『ベニスに死す』公開当時一大センセーションを巻き起こした当時15歳のビョルン・アンドレセン。この作品は、1971年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、25周年記念賞を受賞、日本でも72年のキネマ旬報ベスト・テン第1位になるなど、圧倒的な評価を得て長年多くの人に愛され続ける名作となった。
見る者の目を釘付けにする圧倒的な存在感を残したビョルンは、来日してもCM出演などの芸能活動を行い、日本でもはじめての“アイドル”としてカルチャーにも大きな影響を及ぼした。
事実、池田理代子は、マンガ「ベルサイユのばら」の主人公“オスカル”のモデルがビョルンであったことを明かしている。
また、日本でも大ヒットしたアリ・アスター監督作『ミッドサマー』(19年)では、崖から飛び降りて無残な顔面と化す老人ダンを演じて話題となっていた。
本作品は、オスロ・ピックス映画祭、クリーブランド国際映画祭、セドナ国際映画祭などで上映され、「突然の名声が人生をどのように左右するのか真摯に伝える唯一無二のドキュメンタリー」(Vogue)、「人間の美しさは、人間力にあると教えてくれる」(Screen Daily)といった評価のほか、GuardianやTimes UKなどがハイスコアを付けている。
『世界で一番美しい少年』は12月17日に公開される。
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