平成版『エマニュエル夫人』の誕生!? 園子温監督が最も愛する最新作をアピール
3人の女の愛と性を赤裸々に描いた衝撃作『恋の罪』。この映画が11月12日に公開となり、園子温監督とキャストの水野美紀、冨樫真、神楽坂恵、津田寛治、小林竜樹がテアトル新宿で舞台挨拶を行った。
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世界的注目を集める鬼才監督の最新作だけあり、場内は立ち見客も出る盛況ぶり。ラブホテル街で起きた倒錯的な殺人事件を追う刑事を演じた水野は「念願の園監督作品に参加し、新しい一面を引き出していただいた」と挨拶した。
一方、園監督は昨年晩秋に行った撮影の大変さを振り返ってから「(自分の監督作のなかで)もっとも愛している映画と言ってもいいくらい。こうやってたくさんの人に初日を見守ってもらえて、『こういう映画でもヒットするんだ』ということを日本映画界に示すことができると思います」と感無量の様子だった。
大勢の女性に取材を敢行し、「女性の抑圧や解放について描きたくて、自分の想像力ではなく(取材した)女性たちの考えを盛り込んだ映画」と園監督。水野は「セックスが“愛を確認するための行為”というだけではなく、渇望や闇を満たすための代償行為として描かれていて、そういう感覚は女性なら肌で分かるんじゃないか」とコメント。
堕ちていくエリート女性を怪演した冨樫は「セックスという言葉を大きい声で言う場面は印象的で、普段、そんな大声で言う機会はないので、いい体験になったなと思います」と照れ笑いしていた。
一方、本作を携えてカンヌ国際映画祭に参加した神楽坂は「津田(寛治)さんとのお風呂場のシーンではすごい爆笑が起こって、気持ちいいくらいみなさんが笑ってくださいました。でも、観客の切り替えはすごくて、シリアスなシーンでは空気が変わって引き締まり、メリハリがすごい」とカンヌでの反応を振り返った。
映画については、「共感できる部分があったら、それはみなさんも同じ闇を少なからず持っているということ。それを受け止めてほしい」と水野。冨樫は「女たちの生き様を垣間見ていただき、自分に立ち返って考えてもらえたら」、神楽坂は「自分で気づかなかった“欲”について気づく人もいるかもしれないし、気づかない人もいるかもしれません。見た後で、ぜひ女性同士で話をしてほしい」と語った。
また園監督は「たくさんの女性、もちろん男性にも見てもらいたい。新しい、平成版『マニュエル夫人』ですか? そんな感じで見てもらえれば(笑)」と話していた。
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