映画を愛してやまない主人公が、ヤクザからの借金返済のために殴られ屋を開始。殴られるたびに自分の愛する映画監督たちが撮った作品を思い浮かべ、体をボロボロにしながらも殴られ屋を続けていく様子を描いた『CUT』。この映画が11月23日に東京フィルメックスでジャパンプレミアされ、西島秀俊、常盤貴子、アミール・ナデリ監督が登壇した。
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本作は2005年のフィルメックスで西島が審査員をつとめていたときに、ナデリ監督と出会ったことからスタートした作品。主人公の秀二を演じた西島は「ナデリ監督と映画を一緒に作ろうと言ってから6年間、ずっとこの日を待っていました」と振り返ると、「この映画には僕の魂がこもっていて、700人の観客に見ていただくことで、何か大きな流れが生まれることを心から願っています」と挨拶。
秀二の殴られ屋を手伝うことになる陽子を演じた常盤は「『CUT』は私にとって、すごくいろいろな挑戦が詰まった映画。その挑戦は、イラン出身でニューヨークに在住し、日本映画をこよなく愛するナデリ監督だからこそできたこと。どうか、私の新たな挑戦を見てください」と挨拶すると、「映画館に殴り込みをかけたように激しく、でも、すごく魂のこもった映画。みなさん楽しんでください」と作品をアピールした。
一方、ナデリ監督は満員の客席を見渡しながら「チケットはかなり売れていると聞いていましたが、一体、誰が買うんだろうと思っていました」とコメント。続けて「みなさんがもし、西島さんと常磐さんの今までの演技をご覧になっているのなら、一切、忘れていただき、新しい目と心とで彼らの演技を見ていただきたいと思います。私のために、そしてこの映画のために、彼らは素晴らしい活躍をしてくれました」と2人の演技を絶賛。
司会が観客に「上映後にQ&Aがある」と伝えると、ナデリ監督は「映画を見終わった後にも、私と友だちでいてくださいね」と話し笑いを誘っていた。
『CUT』は12月17日よりシネマート新宿ほかにて全国順次公開となる。
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