真珠湾攻撃からちょうど70周年にあたる12月8日、連合艦隊司令長官・山本五十六を主人公にした映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』の完成披露舞台挨拶が丸の内TOEIで行われ、主演の役所広司をはじめ、玉木宏、柄本明、柳葉敏郎、阿部寛、吉田栄作、椎名桔平、益岡徹、袴田吉彦、五十嵐隼士、原田美枝子、瀬戸朝香、田中麗奈、中原丈雄、中村育二、伊武雅刀、宮本信子、香川照之、そして監督の成島出の総勢19名が登壇した。
・『聯合艦隊司令長官 山本五十六』完成披露舞台挨拶、その他の写真
真珠湾攻撃を指揮したことでも知られる一方、誰よりも開戦に反対した男である山本を演じた役所は「本当に大きな人だと思います。どういう顔で人と会って、説得してくいくのか。ワンシーンワンシーン考えながら演じさせていただきました」と感慨深げ。続けて「若い人に(山本五十六という)名前を覚えてもらって、太平洋戦争をもう1回考えていただければ」と噛み締めるように語った。
戦争に突き進む当時のマスコミの姿勢に疑問を感じ始める新聞記者・真藤利一を演じた玉木は「伝えなければいけないメッセージがたくさん詰まった作品。今、日本に生きている人たちは、すべての人が今後を担う人たち。そういう思いでしっかり見ていただいて、この映画を広めていただけたら」と真剣なまなざしを向けた。
日米にとって開戦にあたるこの日を踏まえ、航空戦隊司令官役の阿部は「真剣にこの作品をやらせていただいたことを非常に感謝しています。真珠湾攻撃から70年が経ちましたが、(この映画は)過去にこういう歴史があったことの1つです。しっかりとした人間ドラマにもなっています」とコメント。海軍省の局長を演じた柳葉も「日本人として将来の日本に何ができるのか。あえて言います、構えて見てください」と語った。
山本の方針と対立する新聞社主幹を演じた香川は、戦争と死は隣り合わせにあることを述べた上で、「おそらく2011年の我々もその淵まで行ったのではないでしょうか。2011年の最後を飾るにふさわしい映画だと思っています」と訴えていた。
また、会場では慰霊と平和への祈りを込めたロウソク300本に灯がともり、山本の故郷である長岡では鎮魂のための花火300発が打ち上げられ、その模様が中継された。
最後に役所は、当時の人が日本という国を守るために命がけで戦ったが、今の日本がはたして彼らの思い描いた姿になっているのだろうかと述べると、「もう一度この時代に、しっかりと向きあって頑張らなければいけないと思います」と結んだ。
『聯合艦隊司令長官 山本五十六』は12月23日より全国公開となる。
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