“テレビNG”芸人・松元ヒロの生き方や哲学を追う
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ドキュメンタリー映画『テレビで会えない芸人』来春公開
立川談志や永六輔、井上ひさしらに愛された芸人・松元ヒロの生き方と笑いの哲学から現代社会を映し出したドキュメンタリー『テレビで会えない芸人』(製作:鹿児島テレビ放送)が、来年22年1月から順次、全国で公開される。
芸人、松元ヒロ。かつて社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」で数々の番組に出演し人気を博した。
しかし90年代末、彼はテレビを棄て、主戦場を舞台に移す。政治や社会問題をネタに笑いで一言モノ申す。
ライブ会場は連日満席、チケットは入手困難。松元が20年以上語り続ける「憲法くん」は、日本国憲法を人間に見立てた演目。
井上ひさしが大絶賛し、永六輔は「ヒロくん、9条を頼む」と言い遺した。
けれど、いや、だからこそ、いまテレビで彼の姿を見ることはない……。
そんな今日のメディア状況に強い危機感を募らせていたのは、松元の故郷鹿児島のローカルテレビ局。
2019年の春から松元ヒロの芸とその舞台裏にカメラが張りついた。
同作の監督は鹿児島テレビの四元良隆と牧祐樹。プロデュースを手掛けたのは「東海テレビドキュメンタリー劇場」で数々の衝撃作、ヒット作を世に送り出し、ローカル局制作のドキュメンタリーの映画化の流れを牽引する東海テレビの阿武野勝彦だ。
この度、予告編が公開された。
立川談志も「芸人」と認め絶賛した松元の芸風とは……
芸人・松元ヒロの笑いの真髄を垣間見ることができる公演シーンから始まる予告編では、立川談志が松元に贈った「テレビに出ている芸人を、俺はサラリーマン芸人って呼んでいるんだ。テレビからクビにならないようなことしか言ってない。他の人が言えないことを代わりに言ってやるのが芸人だ。お前を芸人と呼ぶ」という言葉や、テレビ制作者の葛藤やメディアの“忖度”を匂わせる場面が映し出されている。
鹿児島県出身でNHK大河ドラマや朝の連続テレビ小説など多くのドラマ、映画音楽を手掛ける吉俣良による音楽も予告編を大いに盛り上げている。
さらに、映画『i-新聞記者ドキュメント-』の映画監督・作家の森達也と、東京新聞・望月衣塑子記者のコメントも到着した。
森達也は「テレビでは会えない芸人をテレビが被写体にする。しかし放送には限界がある。ならば次は映画だ。テレビでは放送できない何をテレビマンたちは提示したのか。松元ヒロの過去と現在に、今のテレビの矛盾と自責と覚悟が身震いしながら瞬いている」と語り、望月衣塑子記者も「芸人もメディアも、権力の飼い犬でなく、弱者の番犬となれ。ヒロさんの生き様と覚悟を、メディアに携わる私たちこそが学ばねばならない」と称賛する。
なぜ松元ヒロはテレビから去ったのか? なぜテレビは松元ヒロを手放したのか?
そして同作はその答えを見つけられたのか?
“テレビで会えない芸人”の生き方と笑いの哲学から、いまの世の中を覗いてみる。その先に、モノ言えぬ社会の素顔が浮かび上がる。
松元ヒロという芸人の魅力と生き様から現代社会の問題を浮かびあがらせる作品となっている。
ドキュメンタリー映画『テレビで会えない芸人』は、来年22年1月から順次、全国で公開される。
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