完成から13年…滝田監督「驚きつつも光栄」
第81回アカデミー賞で日本映画史上初の外国語映画賞を受賞、世界67の国と地域で公開され、世界各地の映画祭での総受賞数は103冠を誇る映画『おくりびと』(監督:滝田洋二郎/主演:本木雅弘)。08年に日本で公開され、観客動員575万人、興行収入64.8億円の大ヒットを記録した同作が、10月29日より中国全土9400スクリーンでも劇場公開され、旧作ながらも初週興行収入ランキングで第3位に輝く異例の大ヒットを記録している。
映画『おくりびと』は、これまでテレビ放送や配信を通じて、既に中国の多くの人々に観られてきたが、今回「4K修復版」を新たに製作し、初めての劇場公開に至った。
中国でのタイトルは、納棺師を意味する『入殓師』。
劇場で鑑賞した人々からは「最高傑作だ! 」「映画館に行って鑑賞して絶対後悔しない作品」「本当に心の奥まで突き刺さった」「大泣きしました」との賞賛がSNS上であふれ、11月17日時点の中国内興行収入は6235.7万元(約11.2億円)に達している。
アニメ作品以外では異例!
中国ではヒットした日本の映画はこれまで、宮崎駿監督作『千と千尋の神隠し』(01年)、『となりのトトロ』(88年)などのアニメが主流だ。
しかし、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した『万引き家族』(18年/興収9600万元)、『祈りの幕が下りる時』(19年/興収6700万元)など、近年は実写映画がヒットするケースも増えてきている中、『おくりびと』は旧作の上映ながらも日本映画として久々のヒットとなった。
映画完成から13年を経て中国で再燃した『おくりびと』ブームに、滝田洋二郎監督も「オスカー受賞から10数年を経ての中国公開に驚きつつも大変光栄です。色褪せることなく時や国を越えてこの作品が多くの方に受け入れて頂いたのであるならば、本当に映画冥利監督冥利に尽きます。ありがとうございます」とコメントして、喜びを表した。
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