どっぷり寝て過ごす正月もいいけれど、やっぱりどこかに出かけて1年の始まりを満喫したい。フトコロが厳しい? 映画館なら、暖房完備で約2時間、いろんな刺激を楽しめちゃうぞ! 見知らぬ人たちと一緒に笑いや感動を共有するのも乙なモノ。そんなワケで、三が日に映画館で見られる作品から、ざっくりとシチュエーションを括っておススメ作品を紹介しちゃいます。
まずは友達、家族、1人とどんなシチュエーションでも楽しめること請け合いのTHE エンターテインメントな1本から。
●『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』
言わずと知れた、トム・クルーズ主演のスパイ・アクションシリーズ第4弾。ロシアのクレムリンで爆破事件が発生。事件への関与を疑われたイーサン・ハント(トム・クルーズ)とチームは組織から抹消。後ろ盾を無くしたまま、真犯人を追うことになる。
企画当初は「えー、またやるの? トムももうお歳では?」などと思った人も多いと思うが(含む筆者)、そんな不安を吹き飛ばす見事な仕上がりで、これぞ、映画を見た!な気分にさせてくれる。トム本人がこなしているドバイの世界一の超高層ビルでのアクションも期待を上回る出来。またイーサンが完全メインとは違い、今作では元ネタの「スパイ大作戦」に近い“チームもの”として機能しているのもポイント。監督はアニメショーン『Mr.インクレディブル』のブラッド・バード。
・[動画]『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』予告編
お次は家族で楽しみたい2本を。
●『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』
スティーヴン・スピルバーグ監督、ピーター・ジャクソン製作による3D作品。ベルギー生まれの少年記者タンタンと相棒のフォックステリア犬スノーウィ、そして原作シリーズでも人気のキャラ、ハドック船長が活躍する、原作3作を大胆にアレンジした冒険譚。タンタンが偶然手に入れた17世紀の帆船の模型。そこにはある秘密が隠されていて……。
初の3D作品に挑戦したスピルバーグ監督の嬉々とした姿が見えてきそうな挑戦的な絵作りもそこかしこに登場し、アッと言わせる。かつて『インディ・ジョーンズ』シリーズが「タンタン」ぽいと言われたというスピルバーグ。今度は「タンタン」が『インディ・ジョーンズ』化しているのもおもしろい。特に後半は怒涛のアクションが展開するので、素直にアドベンチャーに乗るべし。
・[動画]『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』予告編
●『リアル・スティール』
ドリーム・ワークス製作による感動作。西暦2020年。ボクシングは人間ではなく、ロボットが戦う格闘技になっていた。優秀なボクサーだったチャーリー(ヒュー・ジャックマン)もロボット格闘技のプロモーターとしてかろうじて生活する日々。ある日、生まれてすぐに別れた息子が母を亡くして目の前に現れる。しかし父子に築かれた関係などあるはずもない。そんなとき、2人はゴミ捨て場で旧式ロボット“ATOM”を見つける。
かつては『ロッキー』、近年では『ザ・ファイター』と、ドラマチックな展開が期待できるボクシング映画。本作でも落ちぶれた元ボクサーと、廃棄処分になっていたロボットというマイナス地点にいた“男”たちの情熱が復活していく様に熱くなる。さらに、ずっと会っていなかった息子との絆の物語が加わることで、人間ドラマもぐぐ〜っと急上昇。熱く燃えてジンと来る、新たな気分で1年を迎えたい人に。
・[動画]『リアル・スティール』予告編
続いては、ぜひともご夫婦に見て欲しい1本。
●『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』
鉄道ヒューマンドラマ・シリーズの第2弾。1ヵ月後に定年退職を控えた夫(三浦友和)と、それを機に今度は夫を支えるのではなく、自分がずっとやりたかった看護師の仕事に復帰しようとする妻(余貴美子)。しかし夫は妻が働くことを望んでいなかった。
一時、騒がれた熟年離婚だが、今もそうした状況は続いているはずで、本作を見て耳も胸も痛くなる旦那様は多いだろう。だが、1年の始めに夫婦で話をするきっかけにしていただきたい(ケンカにはなりませんように)。そして若いカップルは、自分たちの将来像に思いを馳せてみては?
主人公がローカル電車の車掌とあって、富山各地でロケーションされた景色もスバラシイぞ! シリーズ第1弾『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』で助監督をつとめた蔵方政俊による監督デビュー作。
・[動画]『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』予告編
正月だって、ひとりで映画に行っちゃうもんね!な人におススメなのは次の2本。
●『サラの鍵』
1995年にフランスのシラク大統領が認めた“ヴェルディヴ事件”――1942年にフランス政府が自発的に行ったユダヤ人迫害。『黄色い星の子供たち』でも描かれた歴史的悲劇を、本作では現代のパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリアの人生との2本柱で展開させ、悲劇を繰り返さないために、事実や記憶を繋いでいくことの大切さを伝える。
“ヴェルディヴ事件”を取材し始めたジュリアは、夫の祖父母から譲り受けたアパートにかつてユダヤ人家族が住んでいたことを知る。そして検挙された少女サラは収容所を脱走したという。彼女はその後どうなったのか。またジュリアの運命も、45歳での妊娠を機に大きく動き出す。
ジュリアに扮したクリスティン・スコット・トーマスの静かな演技が胸を打つ。また過去の辛すぎる事実との直面に大きな衝撃を受け、胸の奥に刻まれた痛みを少しでも癒すラストシーンに痺れる。第23回東京国際映画祭、最優秀監督賞&観客賞受賞作。
・[動画]『サラの鍵』予告編
●『アンダーグラウンド』
巨匠エミール・クストリッツツによる1995年作品。カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。こうした傑作をスクリーンで見られるチャンスがあるのなら、絶対にスクリーンで見るべき!
1941年。ナチスに侵略されたセルビア。パルチザン(ユーゴスラビア共産党員)になったマルコは、仲間のクロらを地下室にかくまい、武器製造を始める。やがて第2次世界大戦は終結。だが、人々はマルコを信じ、地下生活を続けていた。圧倒的な迫力でこちらに向かってくるドラマと、クストリッツァ監督ならではのロマ音楽が鑑賞後も頭から離れない作品。1年の初めを傑作で迎えられるほど嬉しいことはない。
・[動画]『アンダーグラウンド』予告編
このコラムは前後編の2回にわたって掲載。後編は本日、1月1日の午前10時にアップ予定です。
(文:望月ふみ/ライター)
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・『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』作品紹介
・『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』作品紹介
・『リアル・スティール』作品紹介
・『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』作品紹介
・『サラの鍵』作品紹介
・『アンダーグラウンド』作品紹介
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