認知症の弟に捧げる…もしあのとき、あの人を選んでいたら? あの仕事を選んでいたら?
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ハビエル・バルデムが認知症の父演じる『選ばなかったみち』予告編
第70回ベルリン映画祭コンペ部門に出品されたサリー・ポッター監督最新作『選ばなかったみち』が来年22年2月25日に公開される。このたび、予告編とビジュアルが公開された。
予告編は、娘・モリー(エル・ファニング)が、ニューヨークのアパートでひとり暮らしの父・レオ(ハビエル・バルデム)を病院へ連れていくために彼を訪ねる朝のシーン。
ふたりは意思の疎通もままならない。ふたりが向かう先々でレオは面倒を起こし、モリーは仕事の重要なプレゼンを当日に控えながら予定を何度も変更せざるを得ない……。そんな厳しい現実に押しつぶされそうになるモリーだが、父に寄り添い、手を握り続ける。
映像は、レオがかつて選ばなかった人生を彼の幻想として捉え、一緒にいるはずなのにふたりが見ている全く別の景色を交差させながら進んでいく。
初恋の女性と出会った故郷メキシコで、もしも彼女と暮らしていたら……わかりあえただろうか?
作家生活に行き詰まり一人旅をしたギリシャで、妻と娘を犠牲にしていたら……書き続けていただろうか?
最終的に、レオはニューヨークで暮らすことを選んだ。
ニューヨークから移りゆく、レオの幻想として繰り広げられるメキシコの荒野や灯火、ギリシャの広大な海……どこか夢幻的で、見る者に臨場感と感動を与える映像美にも注目だ。
また、公開されたビジュアルは、モリーがレオの頬に手をあてて優しい笑顔を向け、父と真っすぐ見つめ合う印象的なシーンを配置。「あの日、あの時、あの瞬間──歩んでいたかもしれない人生に、会いに行く。」と、レオの心の旅を代弁するキャッチコピーが添えられている。
サリー・ポッター監督は、本作品を認知症だった弟に捧げたという。
「私はこの映画を、人生の奥深さに迫る作品にしようと考えていました。悲しい場面もありますが、一筋の光が与えられればと思いました。観客の皆さんには、レオの物語を通して、複雑で神秘的な自分の人生を追い求めてもらえたらと願っています」
人生の岐路を振り返る父と今を生きる娘
ニューヨークに住むメキシコ人移民・レオと娘・モリーの生き様を描く。
レオは作家だったが認知症を患い、娘モリーやヘルパーとの意思疎通も困難な状況になっていた。ある朝、モリーはレオを病院に連れ出そうとアパートを訪れると、モリーが隣にいながらも、レオは初恋の女性と出会った故郷メキシコ、作家生活に行き詰まり一人旅をしたギリシャへと、彼女とは全く別々の景色を見るのだった。
父の幻想と娘の現実。ふたりは同じ空間で別々の24時間を生きた。同じ場所にいながらも景色が異なる二人の旅路の行方とは?
『選ばなかったみち』は、来年22年2月25日に公開される。
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