この年末年始、重要ロックドキュメンタリー作品が目白押し!

ジャン=リュック・ゴダール監督がザ・ローリング・ストーンズのレコーディング風景を撮影した伝説の音楽ドキュメンタリー映画『ワン・プラス・ワン』。12月3日にリバイバル上映される本作品に続く来年22年1月公開の音楽ドキュメンタリー作品をここでチェックしておこう。

・まさにドラム神! 急逝したチャーリー・ワッツ追悼リバイバル上映

来年22年には、デヴィッド・ボウイの至高のライヴ映像『ジギー・スターダスト』や、ブリティッシュ・ロックの傑作を次々と生みだした伝説的の音楽スタジオ、ロックフィールドの歴史を辿る『ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ』が控える。

デヴィッド・ボウイ伝説の始まり『ジギー・スターダスト』1月7日公開

ボウイが72年から73年にかけてイギリス、アメリカ、日本で行った長期ツアーの最終公演の模様を収録したドキュメンタリー作品。

ロンドンのハマースミス・オデオン劇場で行われた伝説的なライヴで、ボウイ自身が本作品の製作に関わっている。

ステージ衣装にはロンドンでコレクションを発表して間もない27歳の山本寛斎が参加。監督はボブ・ディランの『ドント・ルック・バ ック』で音楽ドキュメンタリー史にその名を刻むアカデミー賞名誉賞受賞監督D.A.ペネベイカー。全曲の歌詞翻訳を含む字幕は、シュガーベイブのベーシストだった寺尾次郎が担当するなど、周辺情報にも目配りしながら見たい。

『ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ』1月28日公開

イギリス・ウェールズの農場に佇む伝説的音楽スタジオ「ロックフィールド」の足跡を辿るドキュメンタリー作品。

50年以上前、ウェールズの片田舎で家業の酪農場を引き継いだ音楽好きの兄弟キングズリーとチャールズ。当時エルヴィス・プレスリーに夢中だった2人は、農場の仕事の傍ら屋根裏に録音機材を持ち込みレコーディングスタジオを作ってしまう。

当初は友人らと使用する目的だったが、空き部屋を宿泊施設に改修したことで、兄弟は図らずも“世界初” の宿泊可能な滞在型音楽スタジオ、ロックフィールドを設立。その情報はまたたく間に広がり、バンドマンが録音したい場所として国際的な注目を集めることに。

ブラック・サバス、クイーン、エコー&ザ・バニー・メン、イギー・ポップら多くの人気ミュージ シャンが利用したというロックフィールドでは、オアシスの「ワンダーウォール」、コールドプレイの「イエロー」といった数えきれないほどの名曲が誕生した。

なかでも、クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」が有名で、映画『ボヘミアン・ラプソディ』でもその様子が描かれている。

ストーンズの内情描く貴重なドキュメンタリー

そして12月3日に公開される『ワン・プラス・ワン』は、来年22年に結成60周年を迎える平均年齢76歳のストーンズをゴダール監督が捉えた68年製作の伝説的なドキュメンタリー。日本で初公開されたのは78年11月1日で、名ドラマー、チャーリー・ワッツの追悼の意を込めて今回実に43年ぶりにリバイバル上映される。

当時のロンドンを舞台に、バンド黄金期を迎える若き日のストーンズのレコーディング風景が収められており、ロック史に残る名曲「悪魔を憐れむ歌」が完成するまでの過程と、社会運動にかかわるドキュメンタリーめいたフィクション映像が交差するスタイリッシュな音楽映画だ。

『ワン・プラス・ワン』は12月3日に公開される。ちなみに、公開日の12月3日は、ゴダール91歳の誕生日でもある。