豊かな自然とやさしい人々が生きる瀬戸内の小さな島で、主人公ももに訪れる不思議な日々を描いた家族の愛の物語『ももへの手紙』。この映画の復興支援イベント試写会が3月4日に福島県いわき市いわきアリオス小劇場で行われ、ボイスキャストの美山加恋、優香と沖浦啓之監督が登壇した。
主人公ももを演じた美山は「今日はたくさんの方にお越しいただきありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶。ももの母・いく子役を演じた優香は「私も大好きな作品なので、気に入っていただけるといいなと思います」と挨拶した。
撮影中のエピソードについて美山は「ちょうどこの作品を撮影しているときにお母さんとケンカしちゃって……。ももと同じだと思いながら演じていました。最後はきちんと気持ちを伝えて仲直りしたんですけど、この作品を通して気持ちを伝えることの大切さを学びました」とコメント。
また、美山は自身の役柄について「ムキになるとついつい余計なことを言っちゃうところとか、似ているなぁと思っていました。ちゃんと考えてから言葉を発しないとダメなんだと実感しましたね」と話した。
初めて母親役に挑戦した優香は「最初はすごく不安でした。でも、監督からは『そのままでいいんだよ』と言っていただけました」と振り返り、「小さいころの母親って完璧で魔法使いみたいな人だと思っていたんですけど、子どもの前では弱さを見せない強い女性なんだということを感じました」としみじみと語った。
本作の完成に7年もの歳月をかけた沖浦監督は「子どものときは、親もひとりの人間なんだということに気付かないけど、大きくなると、自分と同じように悩んだり、後悔したり、必死で生きている人間なんだと気付く瞬間ってありますよね。そんな誰しもが経験するような通過点を描ければいいなと思いました」と作品への思いを語っていた。
本試写会は、テレビユー福島主催で、一番伝えたい方へのメッセージを集めた「絆 あなたへの便り」企画に応募があったメッセージのなかから「ももへの手紙」賞を選出。舞台上で授与式が行われ、佐土原由美さんが見事受賞した。佐土原さんは「避難先から久しぶりにいわき市に帰ってきました」と話すと、本作を見た感想について「笑いあり、涙ありの素敵な作品だと思います」とコメント。
受賞作品のメッセージが読み上げられると、優香は「気持ちがすごく伝わってきました。今日お会いして元気な姿を拝見でき、本当によかったです」と今なお故郷を離れて暮らさざるを得ない人たちの現状を思い、震災の傷跡残る福島が1日も早く復興できるよう、エールを送っていた。
『ももへの手紙』は4月21日より丸の内ルーブルほかにて全国公開される。
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