先日の第84回アカデミー賞で、29年ぶり2度目となる主演女優賞を獲得したメリル・ストリープが、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』プロモーションのため来日。3月6日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた試写会にフィリダ・ロイド監督と共に出席し、舞台挨拶を行った。
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本作は、イギリス初の女性首相となり、その強い信念で、封建的な男社会にありながらも強力なリーダーシップを発揮して“鉄の女”と呼ばれたマーガレット・サッチャーの栄光と挫折を描いた作品。
サッチャー役を演じたストリープは、この日、黒のフェラガモのコートジャケットにプラダの靴というファッションで登場。観客からは大きな拍手と共に、一斉に「おめでとう!」と声を掛けられるサプライズもあり、笑顔で応えた。
ストリープは先日のアカデミー賞授賞式の発表の瞬間について、「この歳だから感動しないと思っていたけど、頭が真っ白になって、興奮したわ」と明かすと、『マンマ・ミーア』以来、3年ぶりとなる来日には「とても光栄です」とコメント。「3.11から1年。未来、そして希望は絶対あると伝えたいわ」とエールを送った。
一方、フィリダ監督はイギリスの有名な首相の役にアメリカ人であるストリープを起用した理由について「サッチャーは初の女性首相で、世界中の超大物スター。彼女を演じるには、同じように世界的なスーパースターが必要だった。また、サッチャーは冷酷な面もあるので、温かく、ウィットで共感できる人がよかった」と話した。
サッチャーの半生を、晩年まで演じたストリープ。その役作りに絡めて「人間というのは、子どもの頃の自分がいくつになっても自分の中に存在するように、老後の自分も持って人生を歩んでいると思うの。それは、国籍を問わず、みんな同じ。だから、私はぜひ日本人を演じてみたいと思っているの。それが次回作ね!」と茶目っ気たっぷりに話した。
また、この日はサッチャーが就任当時、首相として活躍し、サッチャー本人とも交流が深い中曽根康弘氏が、映画鑑賞のため来場。ストリープとロイド監督と対面し、握手を交わしていた。
中曽根氏は本作について「サッチャーさんとはサミットで5年間ご一緒していました。(映画は)政治家としてこうあるべきだという姿を映し出し、ご本人がよく現れていました。サッチャーさんは愛情ある女性らしい面もあります。世界中の政治家にこうあるべきだと示しているいい映画で、感銘を受けました」と感想を述べた。
『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』は3月16日よりTOHOシネマズ 日劇ほかにて全国公開となる。
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