イギリス初の女性首相になったマーガレット・サッチャーの栄光と挫折を描いた『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』。この映画で主人公のサッチャー元首相を演じ、本年度アカデミー賞主演女優賞に輝いたメリル・ストリープがフィリダ・ロイド監督と共に来日。3月7日にザ・リッツ・カールトンで記者会見を行った。
今回の来日では受賞したばかりのオスカー像も持ってきたというメリルは、黒縁メガネをかけて颯爽と登場。報道陣からオスカー獲得を祝福されると満面の笑顔で応じ、演じる上で一番苦労したことについては、「アメリカ人の私がイギリスで愛され、それと同じくらい批判も浴びてきた女性を演じたこと」と答えた。
また、「女性から見て、サッチャー元首相の魅力的な部分は?」との質問には「首相になっても女らしさを失わなかったこと」と回答。続けて「政治家で男社会で生きるわけですから、女らしさを捨てたいという誘惑はあったと思う。でも、彼女はそれを捨てず、いつもハンドバッグを持ち、ヒラヒラしたブラウスを着ていた。といって、決して涙のような女の持つ弱々しい部分を人前では見せなかった。だからこそ、“鉄の女”という名前がついたのだと思います」と語った。
サッチャー元首相は認知症のため、近年は表舞台にこそ姿を見せていないが存命中だ。そんな同じ時代を生きる人物を演じることには「やりにくさ」もあったようで、「だから、非常に責任があると感じました。そういう実在し、存命中の人物を演じるときは正確であることと、真実に近い役を作っていくことが大切だと思います」と述べた。
元首相を演じたことから、野田首相へのアドバイスを求められると、「もし野田首相が演技に関するアドバイスをお求めなら、ぜひ私のところに来てください」とウィットを効かせながら笑顔で対応したメリル。
劇中ではサッチャー元首相の40年間を演じ、特殊メイクを施し老け役にも挑戦したが、最初にその顔を見たときの感想については「私の父とサッチャー元首相のミックスを見るような感じでした」と語っていた。
『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』は3月16日よりTOHOシネマズ 日劇ほかにて全国公開となる。
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