1997年に封切られ、日本でも1年を超える超ロングランヒットとなった『タイタニック』。この映画が、タイタニック号沈没から100年目を迎える今年4月に3D映画として新たに劇場公開されるのに伴い、ジェームズ・キャメロン監督とプロデューサーのジョン・ランドーが来日。3月30日にザ・ペニンシェラ東京で記者会見に臨んだ。
登壇したキャメロン監督は「日本に来るのはいつも楽しみ、大好きな国なんです」と挨拶。その上で昨年起こった震災に触れ、「ここで改めて被害に遭われた方々へお見舞いを申し上げたい。あのとき、日本国民の強さを目の当たりにしましたし、見事に立ち上がって甦られたことに敬意を表したいです」と語った。
今回、『タイタニック』を3D化したことについては「タイタニック号沈没100年という記念の年であることも関係しています。100年目にこういった映画を3Dで上映し直すことによって、映画のみならず、タイタニック号の沈没そのものにも、もう1度、世界中の人の注目を集めたいという気持ちがありました」と話した。
キャメロン監督自身は、2Dで撮った映画を安易に3Dに変換して上映することには反対の立場のようで、「『3D映画を作りたい』という監督には『最初から3Dで撮りなさい』とアドバイスしています。それが3D映画にとってベストな方法だし、3D映画は3Dで撮るべきというのが私の基本的姿勢です」とコメント。「ただし、『タイタニック』のような2Dでしか撮ってない映画に関しては、3Dに変換するしか選択肢がなく、その場合は、正しい3Dへの変換技術を使って作るべき」と続けた。
また、実際の変換作業については「みなさんは2Dを3Dにする箱があって、そこに2D映画を通せば3D映画が出てくるみたいにイメージされるかもしれませんが、全然そんなことはありません。エンジニアたちがコンピューターの前に座り、2Dの平面的な画を3D化するために、髪の毛1本1本や耳のしわといった、あらゆるものに深さや厚みをつけなければならず、気の遠くなるような話なんです」と訴えていた。
そんな苦労をしてまで、なぜ3D化したのかについては「映画は、最初こそ劇場の大画面で見てもらえますが、その後はビデオやDVDになって地下世界に行ってしまう。それはフィルムメイカーとしては忍びないこと。特にこういったスケールの大きい映画は大スクリーンで見てほしい。それが、3D映画化することで、新しいお客さんを開拓して、劇場という映画があるべき姿で見てもらうことができる」と語った。
さらに、『タイタニック』以外にも、過去作を3D化する予定があるかとの質問には、「今のところ考えていません。『タイタニック 3D』の反応を見てから考えたい。この映画を見ていただき、3Dだと感動が違う、もっと見たいという要望があれば、やる気はあります。特に『ターミネター2』は非常に3Dに適していると思うので」と今後の自作の3D化への含みを残していた。
『タイタニック 3D』は4月7日より全国公開となる。
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