鼻の穴にウジ虫を入れる熱演! エイドリアン・ブロディ体当たりのゴシック・ホラー
スティーブン・キングが「原作よりも不気味」と絶賛!
スティーヴン・キング原作の小説に基づいたドラマ『チャペルウェイト 呪われた系譜』第1話が、12月19日17:00より「BS10 スターチャンネル」で無料放送される。
・レイシズムとクトゥルフ神話…スティーヴン・キング×エイドリアン・ブロディのゴシックホラー
キングが大学時代に執筆した短編小説「呪われた村〈ジェルサレムズ・ロット〉」に基づき、新たなキャラクター設定と脚色で世界で初めて映像化した本作品は、映画『死霊伝説』(79年)『死霊伝説 セーラムズ・ロット』(04年)の前日譚となる。
自身の小説の映像化を酷評することも多いキングだが、本作品に関してはプロデューサーのドナルド・デ・ラインが事前に共有した脚本を気に入って制作を承認し、初回放送後には「私が大学時代に書いた小説を素晴らしい形で、より不気味に脚色してくれた」とツイッターで絶賛した。
1850年、捕鯨船の船長チャールズ・ブーンは最愛の妻を病で亡くしたのを機に陸に戻り子育てをすることを決意し、いとこのスティーヴンがメーン州の小さな町に遺した屋敷「チャペルウェイト」に移り住むが、スティーヴンらを知る町の住民からはブーン家は疫病神だと冷たく迎えられる。一方、幼少時のトラウマからウジ虫の幻覚に悩まされているチャールズは、いとこらのことを調べるうちに一族のある秘密を知る……。
前半は新天地で苦悩する主人公とその家族をじわじわと描きスローに物語が進行するが、第4話で一転、死んだはずのある人物が衝撃の姿で現れてから急展開。そして繰り返される一族の悲劇の裏に、ある書物の存在があったことが明らかになるが、その書物こそがス怪奇小説家H・P・ラヴクラフトのクトゥルフ神話に出てくる魔道書「妖蛆の秘密」(原題:デ・ヴェルミス・ミステリイス)だ。キング作品が好きな人はもちろん、ラヴクラフトファンにも堪らない作品となっている。
過去のトラウマに苦しみながらも3人の子どもたちを必死に守ろうとする主人公のシングルファーザー演じたのは、『戦場のピアニスト』(02年)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディ。主役のオファーを受けた時ヒマラヤ山脈を登山中だったというブロディは、チャールズというキャラクターの深さに惹かれ出演を決めたとインタビューで明かしている。
製作総指揮も務めたブロディは、19世紀のニュー・イングランドを舞台にしたゴシック・ホラーに、小さな町のアウトサイダーである一家を通して人種差別やヘイトクライムなど現代にも通じる問題を盛り込み、視聴者が共感できる作品にしようと心掛けたと語る。ウジ虫の幻覚に悩まされる主人公の恐怖をリアルに表現したいブロディは、大量のウジ虫がいるバスタブに入るシーンであえてCGを拒否し、生きたウジ虫を実際に鼻に入れることを選んだという……。そんな熱のこもった体当たりの演技に注目だ。
北米で大ヒットしたシットコム『シッツ・クリーク』のエミリー・ハンプシャーが、小説のネタ探しのためにブーン家の家庭教師になるレベッカ役を演じている。ジャンルもキャラクターも大きく異なる新たな役どころに挑戦した彼女の迫真の演技と今後の活躍にも注目したい。
『チャペルウェイト 呪われた系譜』第1話は12月19日17:00より「BS10 スターチャンネル」で無料放送される。
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