欧州からアメリカまで、様々な地域の国際映画祭で上映され、4つの観客賞に輝いた新作映画『クレッシェンド 音楽の架け橋』が1月28日より全国公開される。
憎み合うパレスチナとイスラエルの音楽家たちがオーケストラ結成で大揉め
本作は、現代クラシック音楽界を代表する巨匠指揮者ダニエル・バレンボイムと、彼の盟友の米文学者エドワード・サイードが、中東の障壁を打ち破ろうと1999年に設立した実在する和平オーケストラ「ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団」を題材にした音楽映画。“世界で最も解決が難しい”とされる紛争で闘うパレスチナとイスラエルから、音楽家を夢見る若者たちを集めてオーケストラが結成される過程を描く。
世界的に有名な指揮者のエドゥアルト・スポルク(ペーター・シモニシェック)は、紛争中のパレスチナとイスラエルから若者たちを集めてオーケストラを編成し、平和を祈ってコンサートを開くというプロジェクトを引き受ける。オーディションを勝ち抜き、家族の反対や軍の検問を乗り越え、音楽家になるチャンスをつかんだ20余人の若者たち。しかし、戦車やテロの攻撃にさらされ憎み合う両陣営は激しくぶつかり合ってしまう。そこでスポルクは彼らを南チロルでの21日間の合宿に連れ出す。寝食を共にし、互いの音に耳を傾け、経験を語り合い…少しずつ心の壁を溶かしていく若者たち。だがコンサートの前日、ようやく心を1つにした彼らに、想像もしなかった事件が起きる…、というストーリーが展開される。
場面写真では、楽団員たちに熱心に指導する指揮者スポルクの姿や真剣な眼差しで演奏する若者たちの様子が映し出されている。劇中で楽団員を演じた者の中には、実際にウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団に所属する奏者もいたという。
オーケストラの楽団員たちは、激しくぶつかり合いながらも、譜面台を共有し、さまざまなワークショップに取り組んでいく。和解は絶望的と感じられるほど憎み合う彼らは、はたしてコンサートに向けて心を1つにすることはできるのだろうか。心震わす音楽と共に注目だ。
『クレッシェンド 音楽の架け橋』は2022年1月28日より全国公開。
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